マンションの大規模修繕工事は資産管理や住環境の維持にとっても必要なことですが、そこで談合が横行していることを知っていますか。
全てのマンションの管理組合がそういった行為を行っているとはいいませんが、談合が横行していることで無駄な工事やコストが追加され修繕積立金が枯渇することも。
- 2025年3月に公正取引委員会がマンションの大規模修繕工事で談合が行われていると立入検査した事例について。
- 大規模修繕工事に談合が行われることで、区分所有者や賃貸入居者にどんなデメリットや悪影響が出るのかについて。
- マンションの大規模修繕工事で談合が行われることで、通常(一般入札)とはどのような違いがあるのかについて。
- マンションの大規模修繕工事で談合が行われていないかどうか、居住者が確認する方法はあるのかについて。
- マンションの大規模修繕工事で行われる談合に関するデメリットやリスクに関するよくある質問まとめ。
マンションの居住者(区分所有者・理事・入居者など)にとって、談合などで余計なコストが発生することはデメリットしかありません。
公正取引委員会が指摘するほど、業界内では大規模修繕工事で談合が行われていた事実認定が現在も進んでおり、あなたの住む物件がそこに含まれている可能性もあるということ。
慣習だからとか、大手だからと安心するのではなく、大規模修繕工事を行う業者はしっかり選ばないと修繕積立金が枯渇して、その後の補修工事ができなくなる可能性があることを理解しておきましょう。
2025年3月に公正取引委員会がマンションの大規模修繕工事で談合が行われていると立入検査した事例とは?

国土交通省も2017年1月にマンションの大規模修繕工事で談合が横行している可能性が高いと指摘していました。
しかし今回の事例では公正取引委員会が立入検査を行って、本当に談合が横行していたのかという確認作業を行い、現在も継続的にその内容の精査が行われています。
大手ゼネコンや大手マンション修繕工事会社が公正取引委員会の調査対象になった。
2025年3月4日に公正取引委員会は、首都圏のマンション大規模修繕工事において、施工業者約20社が談合を行っていた疑いで立ち入り検査を実施しました。
この調査では施工業者間で受注調整が行われ、工事費用が不当に吊り上げられていた可能性が高いと指摘されています。
2025年3月31日には調査対象が拡大され、大手ゼネコンの子会社やコンサルティング会社も含まれるようになりました。
調査対象の拡大に伴い、施工業者同士の談合だけでなく、コンサルタントが裏で不正な調整を行っていた疑いも浮上しています。
このような不正行為によって住民が支払う修繕積立金が不当に使用される可能性があり、マンション管理組合や区分所有者にとって大きな問題となる可能性が懸念されています。
マンションの管理組合は、工事の見積もりや契約内容を慎重に確認して、第三者の専門家に相談するなどして、透明性の高い工事の実施を心がける必要があります。
2025年3月に公正取引委員会が立入検査をした会社名はまだ公表されていない。
公正取引委員会の調査によっ、複数の施工業者が談合に関与していた疑いが持たれていますが、具体的な企業名については、現時点で公表されていません。
ただひとつ言えることは、首都圏の大手大規模修繕工事の施工業者や大手ゼネコンが調査対象だということだけです。
現在も公正取引委員会による調査が継続されており、詳細な情報が明らかになり次第、関係当局から発表が行われるでしょう。
建築業界では20年以上前から大規模修繕工事で談合が行われているという噂があり、公正取引委員会も数十年以上談合を繰り返してきたとして、今回の立入検査を行っている部分です。
マンションの管理組合や区分所有者は、工事の契約先やコンサルタントを選定する際に過去の実績や評判を確認したり、透明性の高い業者を選ぶことが重要です。
また複数の業者から見積もりを取得して、価格や工事内容を比較検討することで、大規模修繕工事で不正行為が行われるリスクを低減することができるでしょう。
大規模修繕工事など民間工事は発注ルールが明確化されていないので談合の温床になりやすい。
公共工事では刑法に談合罪の規定があることで、実行者が逮捕されるなど処罰されこともあります。
しかし民間工事には談合罪が適用されないこともあり、談合事件に進展しても独占禁止法の不当な取引制限を該当させるしかありません。
公正取引委員会がマンションの大規模修繕工事の際に談合が行われたと判断して動く条件を紹介しておくと、
- 入札や見積もりに不自然な共通点がある
- 内部告発や通報があった場合
- コンサル会社と業者の癒着が判明した場合
- 住民や管理組合からの疑念の声が集まっている場合
- 過去に談合で指摘された企業が繰り返し関与している場合
- 複数現場で似たような不正傾向が見られる場合
最近では、管理組合や住民がSNSや通報フォームを通じて問題を指摘したことで、公正取引委員会が調査に乗り出すという例も増えています。
またこういったSNSでバズった投稿をきっかけにメディアが報道したことで、公正取引委員会が調査に乗り出す場合も。
マンションの管理組合や物件オーナーが大規模修繕の業者選定に対して、絶対的な権利を持っている時代ではなくなったと理解すると良いかもしれません。

大規模修繕工事に談合が行われることで、区分所有者や賃貸入居者にどんなデメリットや悪影響が出るのか?

マンション大規模修繕工事における談合は、分譲で購入した区分所有者と賃貸で入居している居住者の両方にとって様々な影響が出るということ。
分譲で購入した人(区分所有者)と賃貸で入居している人にわけて、どのようなデメリットや悪影響が出るのか紹介していきます。
賃貸物件にしか住まないという人でも、大規模修繕工事の際の談合による影響は受けますので、他人事だと思わないようにしてください。
分譲で購入した人(区分所有者)に対する大規模修繕の談合の影響は?
マンションの大規模修繕工事の談合の影響を最も強く受けるのが、分譲で購入した区分所有者です。
具体的にどのような悪影響が出ることが考えられるのかと言うと
- 修繕積立金が無駄に使われる可能性
- 資産価値の低下リスク
- 管理組合への不信感やトラブルの増加
それぞれどのような状況になることが考えられるのか紹介しますので、大規模修繕工事の際に不正な談合に巻き込まれないためにもしっかり理解しておいてください。
修繕積立金が無駄に使われる可能性│大規模修繕での談合の悪影響
談合によって工事費用が本来より高く設定されていた場合、管理組合が支払う工事費用も割高になります。
その費用はすべて区分所有者の修繕積立金から支出されることになるので、本来よりも多くの支払いを強いられているということ。
いくつかのマンションの管理組合では修繕積立金が不足して、補修や修繕ができない事例も報告されているので、無駄なコストを支払いたくないですよね。
資産価値の低下リスク│大規模修繕での談合の悪影響
大規模修繕工事の際に談合が行われていたことが発覚すると、そのマンションの管理体制のずさんさが明るみに出ます。
これによって購入希望者からの信頼を失い、売却価格が下がるなどの資産価値低下のリスクが出てきます。
談合をベースに行われた大規模修繕工事では、中抜きされ手抜き工事が行われる可能性もあるので注意が必要です。
管理組合への不信感やトラブル増加│大規模修繕での談合の悪影響
住民の中にはなぜこの業者を選んだのかとか、ちゃんと調べたのかと管理組合の理事会などに疑念を持つ人が出てくる可能性があります。
管理組合と住民の関係性だけではなく、住民間の対立や不和が生じるきっかけになることも。
特に大規模修繕工事を決定した理事や管理組合員に関して周囲の評価が変わることもあるので、入居者の不和を産まないためにも公正な業者選びが行われることが推奨されます。
賃貸で入居している人に対する大規模修繕の談合の影響は?
賃貸で入居しているに対してもマンションの大規模修繕工事で談合が行われた際には悪影響を及ぼします。
具体的にどのような悪影響が出ることが考えられるのかと言うと
- 家賃が上昇する可能性
- 騒音や工期の長期化による生活ストレス
- 不透明な修繕による不安感
それぞれどのような状況になることが考えられるのか紹介しますので、大規模修繕工事の際に不正な談合に巻き込まれないためにもしっかり理解しておきましょう。
家賃が上昇する可能性│大規模修繕での談合の悪影響
マンションの修繕コストが高騰すれば、それを負担するオーナーが家賃を値上げするケースもあります。
修繕後はリフォーム済み物件として価値を高く設定され、家賃改定の口実になることも。
都市部では中古マンションでも販売価格や家賃が上昇している傾向があるので、周りの物件に対して割高に感じることもあるでしょう。
騒音や工期の長期化による生活ストレス│大規模修繕での談合の悪影響
談合による不正が工事の品質やスケジュールにも影響していた場合、必要のない工事が長引いたり、施工の質が低いまま進むなど、日常生活に悪影響を与える可能性があります。
安い材料を使って修繕が行われた場合、また数年後にやり直しをしなければならないこともあるので、そういった部分でもデメリットになる可能性が高いと理解しておいてください。
不透明な修繕による不安感│大規模修繕での談合の悪影響
自分が住んでいる建物の維持管理が適切に行われていないと知ることで、安全性や住環境に対する不安が高まるきっかけになることも。
また長期的な生活設計にも悪影響が出る可能性もありますので、気に入った物件でも更新せずに退去したくなる人も出てくるかもしれません。
このように大規模修繕工事の際に起こる談合問題はマンション全体にとって深刻な課題だということ。
入居者自身が管理状況や修繕計画に関心を持って、情報公開や業者選定経緯に関する透明性を求めていくことが、再発防止や資産価値の維持につながるでしょう。

マンションの大規模修繕工事で談合が行われることで、通常(一般入札)とはどのような違いがあるのか?

マンションの大規模修繕工事で談合が行われると、本来必要のない余計な工事や過剰なコストが発生しやすくなります。
見せかけの競争(出来レース)や不透明な業者選定プロセスによって、施工業者やコンサルタントが自分たちの利益を最大化する方向に誘導するための方法だということ。
具体的にどのようなことが行われているのかと言うと、
- 談合の基本構造:見積りの出来レース
- キックバック分の上乗せで工事費がかさむ
- 不要な工事を必要と説明して追加させる
- 工事品質が下がる可能性もある
- 住民が気づきにくい仕組みが利用されている
マンションの大規模修繕工事の際に談合が行われることで発生する余計な工事やコストの仕組みを解説しますので、予防意識を持つためにも参考にしてください。
談合の基本構造:見積りの出来レース│談合の仕組み
業者間であらかじめどの会社が受注するかを決めておき、他の業者は競争しているフリをして相場よりも高めの見積りを提出します。
そうすることで受注業者は本来より高い価格で契約できるようになるということ。
大規模修繕工事の談合での出来レースの具体例は?
- A社が本命→他のB社やC社はわざと高い見積りを提出する。
- A社が落札→管理組合は一番安いからと納得する。
- 実際は全社で価格調整済→競争原理が働いていない。
キックバック分の上乗せで工事費がかさむ│談合の仕組み
談合によって選ばれる施工会社は、管理会社や設計コンサルタントにリベート(キックバック)を支払う約束をしているケースが多く、その分があらかじめ見積金額に上乗せされている可能性も否定できません。
大規模修繕工事の談合でキックバック分が上乗せされる際の具体例は?
- 本来の工事費:4,000万円
- キックバック10%:400万円
- 提示される見積:4,400万円
オーナーや管理組合はその違いに気づけない状況で見積もりを受け取るので、余計なコストを知らぬ間に支払う状況になっているということ。
不要な工事を必要と説明して追加させる│談合の仕組み
談合体制が整っている場合、設計コンサルタントや施工業者が主導権を握り、まだ使える部分まで修繕対象に加えたり、過剰な仕様や回数の施工を提案してくることがあります。
大規模修繕工事の談合での不要な工事を追加される具体例は?
- 実際には問題のない鉄部を劣化の恐れがあるとして全面塗装させられる。
- ウレタン防水だけで十分な屋上に断熱材追加+シート防水の併用を提案される。
これらの追加工事によって、数百万円〜数千万円の余計なコストが発生することもあります。
工事品質が下がる可能性もある│談合の仕組み
キックバックや高値落札が前提となっていることで、工事での利益を確保するために手抜き工事や安価な下請け業者が使われることもあります。
見積もり金額は高くても実際の施工品質が伴わない、という本末転倒な結果にもつながる可能性もあるので注意が必要です。
住民が気づきにくい仕組みが利用されている│談合の仕組み
- 管理組合が建築の専門知識を持っていない
- コンサルタントが中立のふりをしながら業者とつながっている
- 見積書の内訳が細かすぎて比較しづらい
上記のような要素が複数重なることで、余計な工事や高額な見積りがそのまま承認されてしまうことがあります。

マンションの大規模修繕工事で談合が行われていないかどうか、居住者が確認する方法はあるのか?

マンションの大規模修繕工事において談合が行われていないかを居住者(区分所有者・理事・入居者など)が確認・見抜くための方法や対策がないわけではありません。
完全に不正を見抜くことは簡単ではありませんが、おかしな兆候や不自然な流れに注意することで、早いタイミングで疑念を持つことができるでしょう。
大規模修繕工事の際に居住者が談合を疑う際のポイントを紹介すると、
- 相見積もりが適切に行われているか確認する。
- 業者選定プロセスの透明性を確認する。
- 設計コンサルタントの独立性を確認する。
- 工事内容と金額が妥当かどうか調べる。
- 住民説明会での発言を記録し質問する。
- 第三者の建築士や診断士の意見を聞く。
上記において複数の疑念や兆候が確認された場合、マンションの大規模修繕工事で談合が行われている可能性があるので、見破る際の参考にしてください。
相見積もりが適切に行われているか確認する│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が疑われる場合、見積書に次のような特徴があります。
- 見積業者が3社ともすべて似たような価格を提示している:事前に価格を調整している可能性がある。
- 落札業者だけが極端に詳細な見積内容を出している:最初から受注が決まっていた可能性がある。
- 他社見積に明らかなミスや手抜きがある:比較するフリだけで、実質は競争ない可能性がある。
複数の業者の見積金額や内容の差をしっかり確認して不自然な一致がないか注目しましょう。
業者選定プロセスの透明性を確認する│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が疑われる場合、特定業者を選ばせるためにプロセスが形骸化している点に特徴があります。
- なぜその業者が選ばれたのかとい部分に関する説明が十分に行われているか。
- 業者の選定基準や評価方法が開示されているか。
- 修繕委員会や理事会に複数の意見があるか(独断的でないか)。
不自然なタイミングで早めに業者が決まっていたり、1社だけを強く推奨する発言がある場合は注意が必要です。
設計コンサルタントの独立性を確認する│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が疑われる場合、設計コンサルタントや管理会社が業者と結託しているケースが多くあるので注意が必要です。
- 紹介業者がいつも同じではないか。(特定の会社に偏っている)
- コンサルタントが他の選択肢を提案してこない。
- 工事の必要性や内容について反論しづらい雰囲気を作っている。
コンサルタントの中立性が疑われる時は、理事会が別の外部専門家を一時的に雇うことも検討すべきだと思います。
工事内容と金額が妥当かどうか調べる│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が行われていると、相場よりも高すぎる金額や不要な工事項目が含まれていることがあります。
- 類似マンションの修繕工事費用と比較する。(戸数・階数・築年数が似た物件)
- 国交省や自治体が出している工事項目の単価表を活用する。
- 金額が相場より2〜3割以上高い場合は確認が必要だと理解しておく。
工事費用に関して複数の事例と比較するだけでも、見えてくる問題点がありますので、提示されたものが絶対に間違っていないと考える意識も大切です。
住民説明会での発言を記録し質問する│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が絡んでいる案件では、住民説明会で下記のような傾向が現れやすいと理解しておきましょう。
- 早く決めないと予算が足りない、この業者じゃないと無理と急かされる。
- 質問しても答えが曖昧だったり文書での説明を避けている。
- 見積りの根拠を聞いても詳細な説明を受けることができない。
住民説明会の発言内容のメモや録音を残して、必要なら第三者機関(マンション管理センターなど)に相談することも必要かもしれません。
第三者の建築士や診断士の意見を聞く│談合を見抜くポイント
マンションの大規模修繕工事で談合が疑われる場合、修繕に詳しい建築士や一級施工管理技士など外部専門家の意見を聞くことも非常に効果的です。
- 大規模修繕診断士やマンション管理士の資格を持つ人にセカンドオピニオンを依頼することで、工事の妥当性や価格の相場、談合の可能性まで客観的に判断してもらえ安心して依頼できるでしょう。
マンションの管理組合やコンサルタントとは接点のない第三者かつ専門家の意見を確認することで、大規模修繕工事で談合が行われていないという確証を得ることもできるでしょう。

マンションの大規模修繕工事で行われる談合に関するデメリットやリスクに関するよくある質問まとめ。

マンションの大規模修繕工事で談合が行われることで、どのようなデメリットや悪影響が出るのかということがわかったと思います。
今回のように公正取引委員会が実際に立入検査を行って、談合が行われているというプレスリリースがあったことが、談合が横行している根拠のひとつ。
管理組合や居住者にとっても大規模修繕工事で談合が行われることはデメリットしかないことなので、そういった事例に巻き込まれないためにもよくある質問も参考にしてください。
マンションの管理会社が談合に関与している可能性はあるのか?
マンションの管理会社が施工業者やコンサルタントと結託して、特定業者を優先的に紹介したり、推薦するケースは過去にも複数確認されています。そのような場合だと管理組合が十分に比較検討できずに競争原理が働かないまま高額な業者に発注してしまうリスクが生まれます。特に同じ管理会社が過去の複数工事でも同じ業者を紹介していたり、見積りの取得や提示が形式的である場合には談合の可能性が疑われます。管理会社に依存しすぎず、管理組合側でも業者の選定に積極的に関与して透明性を確保することが大切です。
大規模修繕工事を依頼したコンサルタントが中立ではないと感じた際の見分け方は?
大規模修繕工事で設計監理や業者選定を行うコンサルタントが中立を装いながら、実際には特定の施工会社と癒着しているケースがあります。見分け方としては、いつも同じ業者だけを推薦する場合や競争見積をとるといいながら実質1社に絞っている場合、複数の見積に同じ形式やフォーマットが使われている場合などがあります。住民からの質問に対して曖昧な返答を繰り返したり、見積内容の説明が不十分といった傾向が見られた場合も注意が必要です。中立性を担保するには複数の候補から選定する仕組みを管理組合が主体的に運用することが求められるということを理解しておいてください。
マンションの大規模修繕工事で談合された場合、どのくらいの損失額になる可能性があるのか?
マンションの大規模修繕工事で談合が行われると、相場より1~3割程度高い金額で契約が交わされる傾向があります。例えば、1億円規模の大規模修繕工事であれば、1,000万~3,000万円もの余計な費用が発生しているということ。この金額はマンションの管理組合にとって大きな財政的損失であるだけでなく、修繕積立金の無駄遣いや将来の追加徴収リスクにもつながります。さらに品質面での問題が発生すれば、再工事やクレーム対応にも費用がかかり、住民の不満が蓄積する原因になる可能性も理解しておきましょう。適正価格で大規模修繕工事を発注することは資産防衛に直結することですので、談合に巻き込まれないように注意してください。
大規模修繕工事の見積もりが似ていると感じた場合は談合と考えてよいのか?
複数の施工業者から提出された見積金額が非常に近い、あるいは全く同一である場合、談合が行われている可能性は否定できません。特に端数が揃っている場合や構成項目や書式が酷似している状況は、裏で調整が行われているサインであることがあります。ただ必ずしも談合であるとは限らないので、内容や明細の中身まで精査して第三者の専門家に相談するなどの対応が望まれます。不自然な共通点が複数ある場合は、談合を疑う合理的な理由となりえますが、それだけ談合を断定することはおすすめできません。
マンションの大規模修繕工事で談合が行われた場合、誰が得をするのか?
大規模修繕工事の際の談合で得をするのは、主に施工業者とそれに関与する設計コンサルタントや管理会社です。施工業者は相場よりも高い金額で工事を受注することで、利益を確保しやすくなります。設計会社や管理会社は、その見返りとしてキックバックや紹介料を受け取るケースがあります。逆に管理組合や区分所有者は本来不要な支出を強いられ、資産価値の毀損や将来の負担増加といった不利益を被ります。つまり、談合は一部の事業者が私的利益を得るために、多数の住民を犠牲にする構造になっていると理解してください。
マンションの大規模修繕工事でキックバックが行われている場合は、談合の可能性が高いのか?
マンションの大規模修繕工事の際のキックバック(リベート)は談合と非常に密接な関係があります。例えば施工業者が管理会社やコンサルタントに工事契約の見返りとして報酬を支払う約束をしている場合、その分を見積金額に上乗せして請求する必要があるので、工事費が不当に高額になります。形式的には合法に見えることもありますが、実質的には住民の積立金を搾取する構図となります。キックバックがあることで業者間の競争がなくなり、選定が恣意的になって談合と同様の弊害をもたらすと理解しておきましょう。
マンションの管理組合が談合の被害に遭わないためにできることは何かありますか?
マンションの管理組合が談合の被害を防ぐには、まず修繕委員会などを設置して業者選定や設計業務の監視体制を整えることが重要なポイントです。見積もりは最低でも3社以上から取って価格だけでなく施工実績や評価、対応力も含めた総合的な比較を行うべきでしょう。さらに設計コンサルタントや管理会社に対しても利益相反がないかを明確に確認して情報公開や開示、記録の徹底を図ることが大切です。外部の第三者専門家を招いてチェック体制を敷くことも有効な手段ですので、状況に応じてうまく使い分けてください。
大規模修繕工事の契約を締結した後に談合が発覚した場合はどうすればよいのか?
契約締結後に談合が発覚した場合、まずは管理組合として工事内容や金額の妥当性を再確認して必要であれば契約の見直しや解除を検討することになります。ただ既に工事が進行している場合は、損害の最小化を図るための交渉が中心となります。また損害賠償や行政への通報、法的措置も視野に入れた対応が必要となるでしょう。談合が独占禁止法違反と認定されれば、公正取引委員会が指導や課徴金を課す可能性もあり、業者側に大きな制裁が加わることもありますので、契約締結後だからという理由だけで、対応を諦めるのはもったいないと思います。
マンションの大規模修繕工事の際の談合を防ぐための外部機関や相談窓口はあるのか?
マンションの大規模修繕工事の際に談合を疑った場合や防止したい場合は、公正取引委員会の相談窓口を利用することができます。またマンション管理センターや自治体の住宅課でも相談を受け付けており、状況によっては専門家の紹介やアドバイスを受けることができます。弁護士やマンション管理士などの第三者専門家に依頼して、工事内容や選定プロセスをチェックしてもらうことも効果的でしょう。相談は匿名でも可能な場合がありますので、少しでも不自然さを感じたら早めに行動することがトラブル防止に役立ちます。
大規模修繕工事で談合が行われることで施工後のアフターケアや保証に支障が出ることがありますか?
マンションの大規模修繕工事を談合で受注した業者は、利益確保を優先するために最低限の工事で済ませようとするケースが多く、施工後の不具合やクレームに対しても消極的な対応になるリスクがあります。また工事品質が十分でない状況でも工事は完了したと主張して、保証期間内の補修すら拒否される事例も報告されています。適正な競争が行われていれば、業者は自らの技術力やアフターサービスを売りにするはずですが、談合によってそのモチベーションが失われると、居住者が困る事態につながるので、不要な談合に巻き込まれないことが一番の対策になります。

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