外壁調査においても赤外線カメラを搭載したドローンの時代が到来したと言われていますが、本当に効果があるのか。
国土交通省が認める赤外線カメラ搭載ドローンで行う外壁調査に必要な資格や、打診調査と比較した際のデメリットは何があるのか。
- 国土交通省が赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査に関してどのようなガイドラインや指針を持っているのかについて。
- 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査をする際に必要になる資格には何があるのかについて。
- 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うことは打診調査と比較するとどのようなメリットがあるのかについて。
- 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うことは打診調査と比較するとどのようなデメリットがあるのかについて。
- 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査に関するよくある質問まとめ。
最新のガイドラインを確認しておかないと、赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査の効果が認められなかったり、調査自体に同意が得られない可能性も。
調査効率が非常に高まることで多くの調査会社が導入して積極的に行っているのが、赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査です。
建築基準法に基づく定期報告制度に関して正しい知識や理解をしておかないと、せっかくの調査結果もうまく活用することができなくなる可能性もあリますので、この記事を参考に調査準備を行ってください。
国土交通省が赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査に関してどのようなガイドラインや指針を持っているのか?
国土交通省は赤外線カメラ搭載ドローンを活用した外壁調査に関して、効率性や安全性を高める一方で、調査精度と信頼性を確保するために必要となるガイドラインを含めた指針を策定しているのを知っていますか。
ガイドラインは特に高所や構造が複雑な建物での外壁調査を対象としており、調査の品質を保証するための運用基準や手続きが定められていますので、ルールを守った正しい手段で調査を行う必要があります。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を効率的に行うためにも、どのようなルールを守る必要があるのかしっかり確認しておきましょう。
ガイドラインに関して事前に確認しておくべきポイントを最初に紹介しておくと、
- 調査対象や範囲の明確化に関して
- 安全対策の徹底に関して
- 使用する赤外線カメラの性能基準に関して
- データ取得と分析方法に関して
- プライバシーと周囲環境への配慮関して
- 気象条件の確認と適切な調査時期の選定に関して
- ガイドラインの遵守によるメリットに関して
誰でも自由に外壁調査時に赤外線カメラ搭載ドローンを使うことができるわけではないので、ガイドラインを遵守した調査を行うようにしてください。
それぞれどのようなことなのか紹介していくと、
調査対象や範囲の明確化に関する国土交通省のガイドライン
国土交通省のガイドラインでは、調査の目的や対象範囲を事前に明確化することを求められています。
外壁調査の対象となる箇所を確認して赤外線カメラ搭載ドローンで撮影する範囲と精度を設定することが推奨されているということ。
これにより効率的な調査が可能となり、必要以上に広い範囲を撮影することによるリスクやコストの無駄を避けることができるようになります。
安全対策の徹底に関する国土交通省のガイドライン
国土交通省のガイドラインでは、ドローンを使用する際の安全対策を徹底するよう指導していますので、人の集まる場所や都市部での飛行する際に下記の注意事項を守って行うようにしてください。
- 飛行計画の提出:建物の管理者や周辺の住民に調査内容と日程を事前に通知し、飛行計画を明確にすることが求められます。
- 立ち入り禁止区域の設定:ドローン調査の際には、調査対象区域の周囲を一時的に立ち入り禁止とし、万が一の事故リスクを低減するよう配慮します。
- 資格と経験を持つ操縦者の起用:操縦者は、無人航空機の資格を持ち、ドローン操作の経験が豊富な者が推奨されます。これにより、安定した飛行操作と安全な調査が行われます。
使用する赤外線カメラの性能基準に関する国土交通省のガイドライン
赤外線カメラの性能に関しても、精度が高く温度変化を正確に把握できるカメラを使用することが求められています。
カメラの解像度や温度分解能、測定範囲が基準を満たしていることが重要ですので、どのような基準なのか確認しておいてください。
解像度│赤外線カメラの推奨スペック
推奨解像度:320 x 240ピクセル以上
解像度が高いほど外壁の微細な温度差や異常箇所を見分けやすくなります。
逆に解像度が低い赤外線カメラだと温度変化がぼやけてしまい、ひび割れや剥離のリスクを見逃す可能性が高くなるデメリットも。
320 x 240ピクセル以上であれば、一般的な建物の外壁調査に十分な精度が確保できますが、高解像度(640 x 480ピクセル)のカメラも選ばれることがあります。
温度分解能(NETD)│赤外線カメラの推奨スペック
推奨温度分解能:0.05°C以下
温度分解能(NETD:Noise Equivalent Temperature Difference)は、赤外線カメラがどれだけ微細な温度変化を検出できるかを示す指標です。
温度分解能が低いほど温度差の検出精度が上がりますので、調査結果に大きな影響が出るということ。
外壁の劣化部位や剥離リスクのある箇所は微妙な温度差を伴うことが多いため、0.05°C以下の温度分解能を持つカメラが推奨されます。
測定温度範囲│赤外線カメラの推奨スペック
推奨測定温度範囲:-20°C ~ 120°C
建物の外壁が環境温度にさらされているため、外壁調査では幅広い温度範囲に対応できるカメラが必要です。
一般的には-20°C~120°Cの測定温度範囲があれば、外壁調査で求められる温度変化に対応できると考えられています。
温度範囲が広いカメラであれば、建物の内部構造や材料の違いによる温度変化も確認しやすくなる傾向があるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
フレームレート│赤外線カメラの推奨スペック
推奨フレームレート:9 Hz ~ 30 Hz
フレームレートが高カメラを使うことで撮影時の動きや振動による影響が少なくなり、精細な温度画像が得られます。
ドローンでの外壁調査では、9 Hz~30 Hzのフレームレートが推奨されていますので、調査前に確認しておいてください。
フレームレートが低いと移動中に画像が途切れることがあるため、ドローンの飛行速度に応じたフレームレート設定が重要です。
レンズの視野角(FOV)│赤外線カメラの推奨スペック
推奨視野角:45°~60°
赤外線カメラの視野角(FOV:Field of View)は、カメラが一度に撮影できる範囲のこと。
外壁調査時には、広範囲を効率よくカバーできる45°~60°の視野角が一般的に推奨されているスペックです。
広い視野角を持つカメラを使うことでドローンの飛行回数や移動距離を減らし、効率的に調査を進めることができます。
データ取得と分析方法に関する国土交通省のガイドライン
ドローンによる調査データの取得方法とその分析についても、国土交通省の指針に従って行うことが推奨されていますので、データの信頼性と精度を確保するための基準は下記を参考にしてください。
- データ取得の間隔と角度の基準:均一なデータ収集のため、撮影間隔や角度に基準を設けることで、外壁全体の温度変化や劣化状態を正確に把握します。
- 赤外線データの分析手法:温度変化が外壁内部の劣化箇所や空洞を示すため、適切な解析ツールを用いて分析を行います。分析にはAI画像解析の活用が推奨されており、異常箇所を自動で判別する技術も積極的に取り入れられています。
プライバシーと周囲環境への配慮に関する国土交通省のガイドライン
ドローンによる外壁調査は、周辺のプライバシー保護と環境への配慮が必要で、住宅地や公共施設の近隣で調査を行う場合、プライバシーへの配慮が重要視されます。
- 不要な範囲の撮影防止:カメラの角度や飛行高度を調整し、調査対象以外の映り込みを避けます。
- 説明会や通知の実施:事前に住民や関係者へ調査の目的、範囲、日程を説明することで、近隣からの理解と協力を得やすくします。
気象条件の確認と適切な調査時期の選定に関する国土交通省のガイドライン
ドローンによる外壁調査は気象条件に影響されやすいため、国土交通省は調査時期の適切な選定を推奨しています。
- 風速や降雨の確認:特に風速が5m/sを超えるような場合には飛行を控え、晴天かつ風のない日を選ぶことが望ましいとされています。
- 気温や日照の影響:赤外線カメラによる温度データの取得には気温や日照条件が重要であり、建物の温度分布に影響を与えない気候条件下での調査が推奨されます。
国土交通省のガイドラインの遵守によるメリットに関して
国土交通省が示すガイドラインを遵守することで、調査結果の信頼性が向上し、外壁調査の品質を確保できます。
また調査の安全性が高まり、周囲の環境やプライバシーにも配慮した調査が可能になるため、周辺住民や関係者からの理解も得やすくなるメリットも。
業者に外壁調査を依頼する際には国土交通省のガイドラインをしっかり守った調査が行なわれているのかも含めて、事前打ち合わせの際に確認しておきましょう。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査をする際に必要になる資格には何があるのか?
赤外線カメラ搭載ドローンを用いた外壁調査を実施する際には、無人航空機(ドローン)の操作やデータの解析に関する資格や、特定の場所での飛行に際して必要な申請手続きが求められることがあります。
実際に赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査をする際に必要となる主な資格や認定を紹介すると、
- 無人航空機操縦に関する資格・認定に関して
- ドローン運行管理に関する認定制度に関して
- 特定エリアでの飛行許可・承認(国土交通省への申請)に関して
- 赤外線カメラ操作とデータ解析に関する知識に関して
- ドローン保険への加入に関して
無人航空機操縦に関する資格・認定に関して
日本では国家資格としてのドローン操縦者ライセンスが整備されていますが、多くの現場では民間の認定資格が推奨されています。
下記の民間ドローン操縦資格のいづれかを取得しているか確認してください。
- JUIDA(日本UAS産業振興協議会)無人航空機操縦技能証明
- DPA(ドローン操縦士協会)操縦士資格
これらの資格は、ドローン操縦に必要な基本的な知識や操作技術、安全管理の基礎を学ぶもので、商業調査や建物調査においては取得が推奨されています。
建物周囲での飛行や高所での精密操作が求められるため、操縦技術の信頼性が重視されているものだと覚えておいてください。
ドローン運行管理に関する認定制度に関して
ドローンの商業利用にはドローン運行管理に関する知識と技術も必要です。
特に複数のドローンを駆使して行なわれる調査時には、運行管理能力が重要視されることも理解しておいてください。
JUIDAやDPAでは、運行管理のための資格も提供しており、管理者としての認定を受けることが望ましいです。
特定エリアでの飛行許可・承認(国土交通省への申請)に関して
ドローンを建物の周囲や高層ビル周辺で飛行させる場合、飛行許可や承認を国土交通省に申請する必要がある場合があります。
特に下記のようなエリアでの飛行は申請が必要です。
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 150メートル以上の高度での飛行
夜間飛行や目視外飛行(赤外線調査では夜間飛行が必要な場合もあるため)許可・承認が必要な場合は、事前に国土交通省へ飛行計画を提出して、運航管理と安全対策が整っていることを確認する必要があります。
赤外線カメラ操作とデータ解析に関する知識に関して
赤外線カメラによる調査データの取得と解析には、赤外線の知識や分析能力が必要です。
特に温度分布や外壁の異常部位を正確に判断するためには、下記資格を保有している業者に依頼することが有用だと考えられています。
- サーモグラフィー技能士(1級、2級):赤外線カメラの操作方法や温度データの解析方法を学ぶ資格であり、建築物の外壁調査にも適しています。
- サーモグラフィー技能士は、温度データの正確な解釈と劣化箇所の特定に役立つため、赤外線カメラを使った調査に携わる方には特に推奨される資格のひとつです。
ドローン保険への加入に関して
赤外線カメラ搭載ドローン調査に必要な資格とは異なりますが、ドローンでの商業調査にはドローン保険の加入が推奨されています。
万が一の事故やドローン本体の損傷に備えるために、損害賠償保険や機体保険に加入していることで調査時のリスクを軽減できるでしょう。
ドローン保険に関しては調査会社が加入していることがほとんどなので、事前に確認しておくことで安心して外壁調査の依頼を行うことができます。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うことは打診調査と比較するとどのようなメリットがあるのか?
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査は、従来の打診調査と比べてると様々な部分でメリットがあります。
特に効率性や安全性、調査精度の点で優れており、建物の劣化状況を効率的に把握することが可能です。
打診調査と比較した際のドローン外壁調査のメリットを紹介すると、
高所や難アクセスな箇所の調査が容易│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
打診調査は人が外壁に直接アクセスして劣化箇所を点検するため、高所の調査には足場を組むか高所作業車が必要です。
しかしドローンによる外壁調査では足場や高所作業車が不要で、ドローンを使えば高層部や狭い箇所も簡単に確認でき、時間とコストが大幅に削減されるメリットが。
赤外線カメラ搭載ドローンを使うことで調査対象が広範囲でも短期間で調査が行えます。
安全性が向上│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
ドローン調査は遠隔操作で行えるため、作業員が高所での危険な作業を行う必要がありません。
打診調査では、落下事故や作業中の怪我のリスクが伴いますが、ドローンによる調査ではそのリスクが大幅に軽減されるメリットが。
安全性の確保は特に高層建物や複雑な構造を持つ建物で重要であり、ドローンを活用することで事故の防止につながります。
調査の効率とコスト削減│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
打診調査では、足場の設置や撤去、作業員の人件費が大きなコスト負担となります。
しかしドローン調査では足場や高所作業車の費用がかからず、コストを抑えることができるメリットが。
またドローンを使うことで広範囲を短時間で調査できるため、作業時間も短縮され、工期全体の効率が向上します。
赤外線カメラによる内部劣化の可視化│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
打診調査では外壁の表面に現れた劣化を確認できますが、内部の状態までは分かりにくい点がデメリットです。
その一方で赤外線カメラを搭載したドローンは、温度差をもとに外壁内部の空洞や剥離リスクを検出でき、目視で確認しにくい劣化箇所も発見しやすくなるメリットが。
これによって外壁の内部状態も把握でき、早期の修繕が必要な箇所を特定できます。
データの記録・長期的な比較が可能│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
ドローンで取得した高解像度の画像データや赤外線データはデジタル記録として保存でき、長期的な劣化の進行状況を追跡するのに役立ちます。
過去のデータと比較することで、外壁の状態の変化を視覚的に把握できたり、計画的なメンテナンスのスケジュール立案が可能になるメリットも。
打診調査では記録が部分的なものになりがちであるのに対して、ドローン調査ではデータとして詳細に保存できます。
周囲への影響が少ない│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
打診調査では足場や高所作業車が必要で周囲の住民や施設利用者に騒音や立ち入り制限が発生します。
しかしドローンによる調査では準備が不要で短時間で調査が完了するため、周辺への影響が最小限で済むメリットも。
特に営業中の商業施設や居住区では、ドローン調査の方が住民や利用者にとっての負担を軽減することができます。
調査範囲の拡張と柔軟な対応│赤外線カメラ搭載ドローン調査のメリット
ドローンを用いることで建物の外壁だけでなく、屋根や隣接する構造物との境界部など、複数の範囲を同時に調査することも可能です。
また赤外線カメラの他にもさまざまなセンサーを搭載することで、外壁以外の劣化リスクも確認でき、柔軟に調査内容を変えられるメリットも。
状況の変化に応じて随時調整可能なのは調査を依頼する側としても、安心して契約を結ぶことができるでしょう。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うことは打診調査と比較するとどのようなデメリットがあるのか?
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査には多くのメリットがありますが、従来の打診調査と比較して以下のようなデメリットも存在します。
メリットだけではなくデメリットについても理解した上で、ドローン調査と打診調査の使い分けを行うことも重要なポイントのひとつ。
詳細な物理的診断が難しい│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローン調査は外壁に直接触れずに調査するため、物理的な打診や触診による感覚的な診断ができません。
打診調査ではタイルやモルタルの剥離や内部の劣化が叩いた時の音でわかることがありますが、ドローン調査では物理的に接触しないため、内部劣化の状態を正確に判断しにくいというデメリットも。
特に剥離リスクが高い場所では、物理的な確認が必要になるケースがあることも覚えておいてください。
天候や気象条件に左右されやすい│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローンは風や雨などの天候に大きく影響を受けやすく、安定した飛行が難しい場合があります。
強風時や雨天では飛行が不安定になるため、調査を中止せざるを得ない可能性も。
赤外線カメラのデータも気温や日照の影響を受けるため、気象条件が適していないと正確な調査ができないこともデメリットのひとつ。
一方で打診調査は多少の天候不良でも実施可能な場合が多いので、天気の影響を受けにくいという特徴があります。
調査コストが高くなる場合がある│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローン外壁調査は足場の設置が不要であるため、調査規模によってはコスト削減になります。
しかしドローンの運用や赤外線カメラの導入費用がかさむ場合もあり、コスト面がデメリットになることも。
高精度な赤外線カメラや解析ソフトウェアを使用する際のコストは高額になることがあるため、調査範囲や建物の高さによっては、打診調査の方が低コストで済むケースもあります。
赤外線カメラによるデータの解析が難しい場合がある│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
赤外線カメラは、表面の温度分布から内部の劣化を推定するものの、温度差だけでは剥離や劣化の有無を正確に判別できない場合もあります。
温度変化が異常を示しているかどうかの解釈には専門的な知識が必要で、経験の浅い調査員では判断が難しい場合も。
データの誤解釈が生じやすく、場合によっては不正確な結果を招くリスクがあることも覚えておいてください。
飛行制限区域や高度制限の影響を受けやすい│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローンは、空港周辺や重要施設の近くでの飛行に制限があり、許可が必要な場合があります。
特に都市部や住宅地での調査では飛行計画を事前に提出し、国土交通省や関係機関からの承認を得る必要があり、手続きに時間がかかりそれがネックになることも。
打診調査ではこうした飛行制限を気にする必要がないため、特定の地域では打診調査が優先されることもあります。
周辺住民や施設への配慮が必要│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローン調査はカメラで建物を撮影するため、周辺のプライバシーに配慮する必要があります。
住宅地や商業施設周辺での調査では、近隣住民や施設利用者に配慮して、調査対象以外のエリアが映り込まないようにする対策が必要な部分がデメリットになることも。
またドローンの飛行音が気になる場合もあるため、周辺への騒音や迷惑を最小限にすることが求められます。
バッテリーの制約で飛行時間が限られる│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローンの飛行時間はバッテリー容量に依存しており、一般的に20〜30分程度で長時間の連続飛行が難しいという制約があります。
調査範囲が広い場合や建物が高層である場合、複数回の飛行が必要になり、バッテリー交換や充電の手間が発生することも。
これによって調査効率が低下することや、調査が複数日にわたる可能性があることも覚えておいてください。
夜間調査が難しい│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローン調査は視界が必要なため夜間の飛行が制限されており、基本的に日中の調査に限定されます。
赤外線カメラの使用においても、夜間は安全確保が難しかったり飛行許可が必要となる場合があるため夜間調査には不向きな部分も。
打診調査では外部照明の使用で夜間作業も可能な場合があるため、時間帯の柔軟性という面で打診調査の方が有利です。
機材の故障や事故リスクがある│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
ドローンは精密な機械であるため、機材の故障や操作ミスによる事故のリスクがあります。
高所での飛行や複雑な構造の建物周辺での飛行では障害物にぶつかるリスクがあり、落下事故の危険性も考慮しなければならない部分も。
万が一の故障に備えて保険加入が推奨されますが、これによってコストが増える可能性もあります。
データの確認には専門知識が必要│赤外線カメラ搭載ドローン調査のデメリット
赤外線データの分析や外壁劣化の診断には、専門的な知識が必要です。
赤外線カメラで得られる温度データを正確に解釈するためには、温度変化の意味や劣化兆候についての深い知識が求められる部分も。
データの解釈ミスがあると、劣化箇所を見逃すリスクもあるため、分析担当者のスキルが結果に大きく影響します。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査に関するよくある質問まとめ。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うことで様々なメリットやデメリットがあることがわかったと思います。
作業の効率性やコスト面で優れているだけではなく、安全面でもドローンによる外壁調査を行うことが推奨される部分も。
赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査を行うこと際に事前に確認しておくべきよくある質問を紹介しますので、調査時の参考にしてください。
- ドローンに赤外線カメラを搭載することで、どのような外壁の異常が分かりますか?
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赤外線カメラを搭載したドローンは、外壁表面の温度分布を可視化することで、劣化や剥離、ひび割れも含めた内部の空洞の兆候を検出できます。特に温度変化がある部分は外壁の構造に異常がある可能性が高く、劣化を早い段階で発見しやすい特徴も。打診調査では触れないとわからない異常も赤外線カメラであれば可視化できますので、状況に合わせてうまく使い分けてください。
- 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査の費用はどのくらいかかりますか?
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赤外線カメラを搭載したドローンによる調査費用は建物の高さや広さ、使用する機材によって異なります。一般的に数十万円から数百万円程度が目安になると考えておいてください。従来の調査方法より足場の設置や撤去が不要なこともありコスト削減が期待できますが、高性能な赤外線カメラやAI解析ツールを使用する場合は費用が高くなることも理解しておいてください。
- ドローン外壁調査と打診調査はどのように使い分けるべきですか?
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ドローン外壁調査は、高所や広範囲を効率的に調べたい場合や剥離リスクがある内部の異常を確認したい場合に適しています。その一方で打診調査は、実際に外壁に触れることで劣化の具合を判断するために剥離の兆候が見つかった箇所の詳細確認には打診調査が適しています。両者を併用することでより精密な診断ができるようになるので、実務経験が多い業者に依頼することで適切な外壁調査を行うことができるようになります。
- 赤外線カメラを使用したドローン外壁調査の精度はどの程度信頼できますか?
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赤外線カメラ搭載ドローンは高精度で、温度差を基に内部の異常箇所も可視化可能です。ただし環境温度や日照条件に影響されることもあり、調査時の気象条件に適した日を選ぶことが重要です。またデータの解釈には専門的な知識が必要なために経験豊富な専門家がデータ解析を行うことで精度をがらに高めることができます。誰が行っても同じ結果になると思わないことが大切です。
- 赤外線カメラ搭載のドローンによる外壁調査はどのような建物に向いていますか?
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赤外線カメラを用いたドローン調査は、特に高層ビルや大型商業施設、広範囲の調査が必要な建物に向いています。タイルやモルタルの剥離リスクがある建物や経年劣化が進んでいる古い建物でも早期発見がしやすいため、こうした建物には赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁調査が適しているといえます。
- ドローン外壁調査の際、複数のカメラを同時に使用することは可能ですか?
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ドローンには赤外線カメラと通常の高解像度カメラを同時に搭載することが可能です。複数のカメラとドローンを使うことで外壁の異常箇所を赤外線で検出した後、詳細を高解像度画像で確認することができるメリットも。複数のカメラを活用することで、より精密な調査が可能になりますので、状況に合わせて使い分けてください。
- ドローン外壁調査を実施するためには国土交通省の許可が必要ですか?
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調査する場合によっては国土交通省の飛行許可や承認が必要になることがあります。特に人口集中地区(DID)での飛行や、高度150メートル以上の飛行、夜間飛行などの条件がある場合は、事前に申請しなければなりません。また建物周辺の住民や関係者への周知も必要で、安全対策が徹底されているか確認しておくことが求められていることも理解しておいてください。
- ドローン外壁調査の準備にどれくらいの時間がかかりますか?
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ドローン外壁調査の準備は比較的短時間で済みますが、事前の飛行計画作成や周辺の安全確認、関係者への周知といった手続きが必要になります。また許可が必要なエリアであれば国土交通省への事前申請も行なわなければなりません。通常は準備期間として1~2週間程度が目安になりますが、許可申請が必要な場合はさらに時間がかかることもあることを理解しておいてください。
- 赤外線カメラを使用したドローン外壁調査はどのくらいの時間で完了しますか?
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ドローン外壁調査にかかる時間は建物の規模や調査範囲により異なりますが、一般的には1〜2時間で完了することが多いと言われています。ドローンを使うために足場を組む必要がなく、広範囲を短時間で調査できます。ただし、高層ビルや複雑な構造を持つ建物では、複数回の飛行が必要な場合もあるので経験豊富な調査会社に依頼することでよりスムーズに行うことができます。
- 赤外線カメラ搭載ドローン調査時に周辺住民へ配慮が必要な理由は何ですか?
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ドローン調査では周囲のプライバシーと安全性に配慮することが重要です。特に住宅地や公共施設の周辺ではカメラの映り込みや飛行音が問題となるために事前に周辺住民へ調査の説明や飛行時間の通知を行うことで、理解と協力を得ることが推奨されることを覚えておいてください。
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