マンションの大規模修繕工事はいくら?費用や周期の目安は?

マンションの大規模修繕工事はいくら?費用や周期の目安は?

マンションでも大規模修繕工事を行うことは、建物の寿命を伸ばし資産価値を維持するためにも欠かせない重要なことです。

大規模修繕工事を行わないと外壁や防水層の劣化が進行して、最終的には建物全体の安全性が損なわれる可能性がありますので、絶対に行うようにしてください。

この記事を読むとわかること
  • マンションの大規模修繕工事の内容と主な工事箇所の範囲や目安について。
  • マンションの大規模修繕工事費用の目安がいくらくらいなのかについて。
  • マンションの大規模修繕工事費用を左右する要因は何があるのかについて。
  • マンションの大規模修繕工事の費用を抑えるポイントや補助金について。
  • マンションの大規模修繕工事の一般的な周期目安や実施タイミングについて。
  • マンションの大規模修繕の工事周期を伸ばすための対策や逃した場合のリスクについて。
  • マンションの大規模修繕工事費用や周期の目安などに関するよくある質問まとめ。

大規模修繕工事は高額な費用がかかることもあり、事前に計画を立てて資金繰りを行う必要があります。

オーナー側のメリットだけではなく、入居者の満足度を高める効果も期待できますので入居率のアップや退去率の低下を防ぐ効果も。

マンションの大規模修繕工事をしっかり行うことで資産価値を維持しつつ魅力的な物件にするようにしましょう。

目次

マンションの大規模修繕の工事の内容と主な工事箇所の範囲は?

マンションの大規模修繕工事は建物全体の劣化を防ぎ、美観と安全性を維持するために必要なことで、一般的に行われる工事項目を紹介すると、

外壁塗装や補修│大規模修繕工事箇所

外壁のクラック(ひび割れ)や塗装の剥がれを修復することで美観と防水性を向上させることができます。

ひび割れ部分から雨水が侵入することを防いで、建物の構造体を守る効果が期待できる部分も。

塗料の種類やグレードによって耐用年数が異なりますので、高耐久塗料を使用することでメンテナンスサイクルを延ばすことができます。

屋上防水工事│大規模修繕工事箇所

屋上の防水層を改修することで、雨漏りの防止と建物内部への水の侵入を防ぎます。

防水工事手法にはシート防水やウレタン防水など複数の方法があり、建物の構造や予算に応じて選定してください。

屋根の防水工事の耐用年数は10年〜20年が目安ですので、将来的に追加で工事する必要があることも覚えておきましょう。

共用部改修│大規模修繕工事箇所

エントランスや廊下、階段などの共用部分を改修して利用者の快適性と安全性を向上させます。

マンションの共用部分の改修にはタイルの張り替えや照明のLED化なども含まれ、電気代の削減や利便性向上につながる部分も。

共用部分が汚れていたり破損したままの状態では入居者の満足度が低下するのでその点も意識しましょう。

給排水設備の改修│大規模修繕工事箇所

配管の老朽化に伴って、給排水設備の交換や補修が必要になります。

特に築20年を超えるマンションでは、赤水や漏水などのトラブルを防ぐために給排水設備の改修が必要になるでしょう。

給排水改修工事を行うには、管轄している自治体などに工事の許可を取るための給排水工事申請が必要になることが多いことも覚えておいてください。

鉄部塗装│大規模修繕工事箇所

バルコニーの手すりや階段の鉄部は錆びやすいため、定期的な塗装が必要です。

鉄部が腐食することで安全性に問題が生じるため、錆止め塗料を用いた塗装が推奨されます。

マンションの修繕計画の中で最も修繕周期が短い工事項目なので、定期的に行うようにしてください。

マンションの大規模修繕工事費用の目安がいくらくらい必要なのか?

マンションの大規模修繕工事費用は建物の規模や工事内容、立地条件によって異なりますが、一般的な費用の目安を規模感で紹介すると、

小規模マンション(10戸程度)│大規模修繕工事費用目安

小規模マンションの大規模修繕工事費用の目安は、500万円〜1,000万円です。

外壁塗装や屋上防水、共用部の改修が主な工事内容で比較的シンプルな修繕工事で終わることが多いでしょう。

中規模マンション(30戸程度)│大規模修繕工事費用目安

中規模マンションの大規模修繕工事費用の目安は、1,500万円〜3,000万円です。

外壁塗装に加えて給排水設備の改修や鉄部塗装など幅広い工事が含まれることが一般的ですので、ややまとまった費用が必要になります。

大規模マンション(50戸以上)│大規模修繕工事費用目安

大規模マンションの大規模修繕工事費用の目安は、3,000万円〜6,000万円以上です。

足場設置費用が高額になりやすく、複数の大規模な工事を同時に行うことが求められます。

特注資材や設備を使用しなけれならないケースもあるので、大規模修繕工事にかかる費用が高額になることを理解しておいてください。

マンションの戸数による大規模修繕工事費用の目安はいくらか?

マンションの戸数による大規模修繕工事費用の目安はいくらくらいで考えておけばよいのかというと、

  • 10〜20戸程度の小規模マンション:1戸あたり50万円〜80万円程度。
  • 30〜50戸程度の中規模マンション:1戸あたり40万円〜70万円程度。
  • 100戸以上の大規模マンション:1戸あたり30万円〜60万円程度。

1戸あたりの修繕費用はマンションの規模が大きくなるほど割安になる傾向があります。

しかし全体の工事規模が大きくなるために慎重な工事計画や資金繰りが必要になることも忘れないでください。

マンションの大規模修繕工事費用を左右する要因は何があるのか?

マンションの大規模修繕工事費用は様々な要因によって大きく変動しますが、主な要因について簡単に紹介すると、

建物の規模と高さ│工事費用に影響する要因

階数が多いマンションは足場の設置費用が高くなります。

特に高層マンションの場合は安全対策や特殊機材が必要となり、コストが大幅に上がる可能性が高いことを理解しておきましょう。

作業効率の低下により人件費も増加しますので、物件の規模感に合わせた大規模修繕計画の選定が必要になります。

劣化の程度│工事費用に影響する要因

劣化が進行していると修繕の規模が拡大して、結果として費用が高くなります。

軽微な劣化の段階で早期対応することで大規模な補修を避けられますし、入居者や入居希望者の印象を良くすることが期待できる部分も。

定期的に物件全体の点検や検査を行って、劣化を見逃さないことが重要なポイントです。

工事内容と範囲│工事費用に影響する要因

外壁塗装だけでなく、防水工事や給排水設備の改修など複数の工事を同時に行うことで一時的な費用は増加します。

しかし複数箇所をまとめて工事することで、中長期的にはコスト削減につながるのでオーナー側にも十分なメリットがあるといえるでしょう。

工事項目の優先順位を設定して段階的に実施する方法もありますので、資金繰りを計算して計画的に工事を行ってください。

使用する材料とグレード│工事費用に影響する要因

高品質な塗料や防水材は耐久性が高く、長期的に見れば修繕頻度が少なくて済むのでコスト削減につながります。

ただ工事費用は高くなるので、準備した予算に応じた材料選定が必要でしょう。

材料の質やグレードは工事業者の方がよく知っているので、相談しながら選定するようにしてください。

施工業者の選定│工事費用に影響する要因

施工業者によって見積もりや工事内容が異なります。

複数の業者から見積もりを取って比較することでコストを抑えたり、何かしらのサービスをしてもらえる可能性も。

ただ異常に安価すぎる業者には注意が必要ですので、これまでの工事実績や保証内容もしっかりチェックして選定するようにしてください。

マンションの大規模修繕工事の費用を抑えるポイントや補助金の活用方法は?

マンションの大規模修繕工事にかかる費用を抑えるポイントは何か?

マンションの大規模修繕工事にかかる費用を抑える際には下記ポイントに注意する必要があります。

コスト削減ポイント
  • 相見積もりを取る
  • 長期修繕計画を作成する
  • 修繕積立金を活用する
  • 補助金や助成金を活用する
  • 工事項目の優先順位をつける
  • エネルギー効率の向上を目指す

相見積もりを取る│工事費用のコスト削減ポイント

複数の工事業者から見積もりを取って工事費用や工事内容を比較検討します。

過去の施工事例や口コミも確認して信頼できる業者かどうかのチェックも忘れないでください。

長期修繕計画を作成する│工事費用のコスト削減ポイント

長期的な視点で修繕計画を立てることで、急な出費を避けることができるでしょう。

修繕サイクルを見える化して計画的に積立を行っておけば、大規模修繕工事の際に資金繰りに悩まずに済みます。

修繕積立金を活用する│工事費用のコスト削減ポイント

定期的に積み立てを行って大規模修繕の際に資金不足に陥らないようにします。

物件の規模によっては管理組合を作って積立計画をしっかりと立てることも必要かもしれません。

補助金や助成金を活用する│工事費用のコスト削減ポイント

国や自治体による耐震補強、省エネ改修工事の補助金制度を活用することで費用の一部を負担してもらうことができます。

事前に自治体のウェブサイトを確認して、適用条件を把握しておかないと使えないこともあるので、工事業者にも相談して進めましょう。

工事項目の優先順位をつける│工事費用のコスト削減ポイント

一度に全ての部分の大規模修繕を行うのではなく、緊急性や重要度が高い項目を優先して実施することでコストを分散することができます。

ただ工事を分散することで何度も工事をしなけれならないので、入居者の満足度が低下する可能性にも注意してください。

エネルギー効率の向上を目指す│工事費用のコスト削減ポイント

照明のLED化や断熱塗料の使用など省エネ改修を同時に行うことで、ランニングコストの削減につながります。

またエネルギー効率を高める工事の場合、補助金や助成金の対象になることもあるので、使える補助金がないかも確認してください。

マンションの大規模修繕工事で使える補助金の種類とその活用方法は?

マンションの大規模修繕工事でも国や自治体が提供する補助金を活用することで、修繕工事費用の負担を軽減することができます。

大規模修繕工事でも使える補助金の種類について簡単に紹介すると、

補助金の種類
  • 長寿命化リフォーム補助金(国土交通省)
  • マンションストック長寿命化等モデル事業
  • 各自治体の耐震改修助成制度
  • エネ改修助成金(環境省)

長寿命化リフォーム補助金(国土交通省)│補助金の種類

国土交通省が実施する「長寿命化リフォーム補助金」は、マンションの長寿命化を目的とした耐震補強や省エネ改修などに対して助成される制度のこと。

具体的には外壁防水や屋上防水工事・耐震補強工事・省エネ設備の導入(LED照明や高断熱材の使用)・バリアフリー改修工事などが対象になります。

バリアフリー改修工事の補助率は、工事費の1/3〜1/2程度で最大で数百万円レベルの助成が受けられる場合があるので確認を忘れないでください。

マンションストック長寿命化等モデル事業│補助金の種類

マンションの老朽化対策を促進するために行われている国土交通省の補助事業のことです。

修繕計画の策定段階から補助を受けられるため、計画の初期段階から活用するようにしてください。

対象になるのが、修繕計画の策定費用・設備更新や外壁補修、給排水設備の改修・エレベーターの更新工事で工事費用の約1/3を目安に助成してもらうことができます。

各自治体の耐震改修助成制度│補助金の種類

地方自治体ごとに耐震診断や改修工事に対して助成する制度が設けられている場合があります。

東京都や大阪府などの大都市圏では特に手厚い補助が行われており、マンションの耐震化を進める際に活用してください。

対象になるのが、耐震診断費用の助成・耐震補強工事の一部費用などで助成率は自治体により異なりますが、診断費用の50%〜100%を補助してくれる自治体も存在しています。

省エネ改修助成金(環境省)│補助金の種類

環境省が実施する「省エネ改修助成金」は、マンションのエネルギー効率を高める改修に対して補助してもらうことができます。

対象になるのが、窓の断熱化や外壁断熱工事・高効率給湯器や太陽光発電設備の導入・LED照明や人感センサーの設置など。

助成率は工事費用の1/3程度で、省エネ設備導入を検討している場合に適しています。

マンションの大規模修繕工事の際に補助金はどのように活用すればよいのか?

マンションの大規模修繕工事の際に使える補助金はいつでも誰でも簡単に申請すればもらえるというものではありません。

補助金には適用条件や適用ルールがあるので、それを確認しておく必要があります。

補助金の活用方法
  • 事前の情報収集と自治体への問い合わせをすること。
  • 修繕計画と補助金の適用工事を一致させること。
  • 補助金申請のスケジュール管理を行うこと。
  • 専門家を活用してもらい漏れを防ぐこと。

事前の情報収集と自治体への問い合わせをすること│補助金の活用方法

補助金制度は地域や年度によって内容が変わるため、最新の情報を把握することが重要です。

国や自治体の公式サイトを定期的にチェックしたり、窓口で確認するなどして管理組合でも制度の詳細な内容を共有しましょう。

修繕計画と補助金の適用工事を一致させること│補助金の活用方法

大規模修繕計画を立てる際には、助成対象となる工事項目を盛り込むことが重要なポイントです。

耐震補強や省エネ設備の導入など補助対象になる工事を優先的に検討してください。

補助金申請のスケジュール管理を行うこと│補助金の活用方法

補助金の申請には期限があるため、工事スケジュールと申請タイミングを調整する必要があります。

工事開始前に申請が必要な制度も多いので計画段階から早めに手続きを進めること、提出書類がある場合はその期日と記載内容を守ることを徹底してください。

専門家を活用してもらい漏れを防ぐこと│補助金の活用方法

補助金の申請には多くの書類や手続きが求められることが多いため、行政書士や建築コンサルタントなどの専門家に依頼するのも方法のひとつです。

耐震補強やエネルギー効率改修などの複雑な工事は、専門家の助言を受けることで申請の成功率が高まりますので、そういった専門家のサポートも検討してください。

マンションの大規模修繕工事の一般的な周期目安や実施タイミングはいつか?

マンションの大規模修繕工事は一般的に12年〜15年周期で行うのが目安だと言われています。

この周期はあくまで一般的な指標でしかなく、マンションの立地や規模、構造や劣化状況によって前後することがありますので注意が必要です。

ここではマンションの大規模修繕工事の周期目安に関して、

大規模修繕実施の目安
  • 一般的な修繕周期の目安
  • 修繕周期を左右する要因
  • 各修繕項目の耐用年数の目安

について説明していきますので、修繕計画をしっかり立てて想定外の自体に直面しないように参考にしてください。

マンションの大規模修繕工事の一般的な修繕周期の目安は?

  • 築10年〜15年:初回の大規模修繕の実施タイミングで、外壁塗装や防水工事、鉄部塗装などが中心になります。建物の劣化が比較的少ない段階で行われることが多く比較的軽微な修繕で終わることがほとんどです。
  • 築20年〜25年:2回目の大規模修繕の実施タイミングとなり、配管設備や給排水設備の改修が必要になることが多く、初回より工事範囲が広がる傾向があります。屋上防水やタイル補修なども状態をみて判断してください。
  • 築30年〜35年:3回目の大規模修繕の実施タイミングとなり、外壁の全面改修やエレベーターのリニューアルなど建物の機能維持に必要な大規模な工事が必要になることがほとんど。このタイミングで給排水管の全面更新が必要になることもあります。

マンションの大規模修繕工事の修繕周期を左右する要因は?

  • 立地環境:海沿いや工業地帯では塩害や排気ガスの影響で外壁や鉄部の劣化が早まりますし、山間部や積雪地帯では寒暖差や雪の影響で劣化が進むことがあります。
  • 建物の構造:鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)の場合は、耐久性が高いことも多く修繕周期が長くなることがあります。その一方で軽量鉄骨造のマンションは劣化が早く進む可能性があります。
  • 施工方法や材料:耐久性の高い塗料や防水材を使用した場合、次回の修繕周期を延ばすこともできます。施工時の技術レベルや使用材料によって修繕頻度が変わりますので、しっかりとした業者選びが重要です。

マンションの大規模修繕工事の修繕項目ごとの耐用年数の目安は何年くらいか?

  • 外壁塗装:10〜15年
  • 屋上防水:12〜20年
  • 鉄部塗装:5〜10年
  • 給排水管:25〜30年
  • エレベーター:20〜30年
  • 共用部設備(照明やドア):15〜20年

マンションの大規模修繕工事の周期を逃さないためにも事前にしっかり計画を立てておくことが重要なポイントのひとつです。

長期修繕計画の策定や予算管理などを徹底して、適切な時期にマンションの大規模修繕工事ができる状態にしておいてください。

マンションの大規模修繕の工事周期を伸ばすための対策や逃した場合のリスクは?

マンションの大規模修繕工事の周期を延ばすことは、長期的なコスト削減と資産価値維持につながります。

ここで紹介する対策を念頭において対応することで大規模修繕工事の頻度を少なくしたり、建物の劣化を抑制することができるでしょう。

高耐久性の材料を使用する│大規模修繕工事の周期を伸ばす対策

フッ素塗料やシリコン塗料を使用する

フッ素塗料やシリコン塗料を使用することで一般的なウレタン塗料と比較して耐候性を高くすることができ、耐用年数が長いのが特徴です。

塗り替えの周期が15年〜20年に延びるため、メンテナンスの回数を減らす効果が期待できます。

ただ初期費用が多少高くなりますので、工事箇所や工事費用なども考慮して材料選びを行うようにしてください。

ウレタン防水やシート防水を選定する

屋上防水工事では耐久性が高く劣化しにくいウレタン防水やシート防水を選ぶことで修繕周期を延ばす効果が期待できます。

シート防水は特に耐用年数が長く平均12〜20年と言われているので、長期的に防水性を維持することができるでしょう。

小規模な修繕・補修を定期的に行う│大規模修繕工事の周期を伸ばす対策

外壁の定期点検やクラック補修を行う

小さなひび割れやクラックを放置することで、雨水が侵入して鉄筋が腐食するきっかけになります。

少なくとも5年ごとに外壁点検を行って早期補修を実施することで外壁の全面改修の時期を遅らせることができますし、部分的な補修であれば安価な費用で工事を行うことができるでしょう。

鉄部の定期塗装や錆取りを行う

バルコニーや階段の鉄部は錆びやすいため、5年ごとに塗装を行うことで劣化を防ぐ効果が期待できます。

錆が広がる前に補修することは鉄部の交換を回避できる重要な対策だといことを覚えておいてください。

防水層の保護や清掃を徹底する│大規模修繕工事の周期を伸ばす対策

排水口の定期清掃をする

屋上の排水口にゴミが溜まると雨水が溜まって防水層の劣化が加速する原因になります。

1年に2回程度でもよいので排水口の清掃を行っておけば、防水層の寿命を延ばす効果も期待できるでしょう。

防水層のトップコート塗布をする

屋上防水のトップコートは紫外線や雨風から防水層を守る効果がありますので、その劣化は放置しない方がよいでしょう。

5年には1度トップコートを塗り直しを行っておくことで防水層の耐用年数が延びますので、工事周期を伸ばす効果が期待できます。

マンションの大規模修繕工事のタイミングを逃した場合のリスクは?

修繕工事を適切なタイミングで行わなかった場合、建物に様々な問題が発生する原因になります。

マンションの大規模修繕工事のタイミングを逃すと修繕費用が大幅に増えたり、マンションの資産価値が低下する原因になることを忘れないでください。

大規模修繕工事をしない場合のリスクとして、

修繕工事をしないリスク
  • 建物の安全性が低下する
  • 入居者の満足度が低下する
  • 修繕費用が高額になる

上記のようなことが考えられますので、それぞれどのようなことなのか紹介しておくと、

建物の安全性の低下│大規模修繕工事をしないリスク

  • 外壁タイルの剥落やひび割れ:劣化した外壁タイルが落下し、事故につながる可能性があるだけではなく、外壁改修を怠ることで修繕費用が2倍以上になることもあります。
  • 防水層の破損による雨漏り:屋上防水を怠ると、雨漏りが発生し内装や構造体が腐食して最悪の場合が、大規模な修繕が必要になります。

入居者の満足度の低下│大規模修繕工事をしないリスク

  • 設備故障や給排水のトラブル:設備が老朽化することで給排水設備から漏水が発生することがあり、入居者のクレーム増加や入居率の低下につながります。
  • エレベーターの故障:エレベーターの更新を怠ることで故障が多発して使用停止に陥るリスクがあります。高層マンションでは住民の利便性が著しく損なわれるので注意が必要です。

修繕費用の高額化│大規模修繕工事をしないリスク

  • 劣化が進むと修繕範囲が高額化:初期段階であれば数十万円で済む工事だとしても、劣化が進むことで数百万円規模の工事が必要になる場合も。
  • 防水層の剥がれを放置した結果、漏水によって下階の内装改修が必要になり、工事費が3倍に膨れ上がった事例などもあります。

マンションの大規模修繕工事費用や周期の目安などに関するよくある質問まとめ。

マンションの大規模修繕工事は物件オーナーが絶対に避けることができない事前にわかっている出費になります。

突発的な出費を防ぐためにも事前にしっかりとした計画を立てることが重要ですが、高額な費用がネックになり二の足を踏んでしまう人も。

ここではマンションの大規模修繕工事費用や周期の目安などに関するよくある質問をいくつか紹介しますので、工事計画を立てる際の参考にしてください。

一般的にマンションの大規模修繕工事はいつどのようなタイミングで行うべきだと言われていますか?

一般的にマンションの大規模修繕工事は築12年〜15年が初回の目安とされおり、2回目は築20年〜25年、3回目は築30年〜35年と考えておいてください。ただこの周期は立地環境や建物の構造、使用材料などによって前後しますので、修繕周期を判断するためにも5年ごとの定期点検が重要なポイントになります。外壁のひび割れやタイルの剥がれ、屋上防水層の劣化が見られる場合は、早めに修繕を検討してください。早期に対処することで修繕費用を抑えることもできます。

マンションの大規模修繕工事の費用を抑える方法やすべきことはありますか?

大規模修繕工事の費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取り比較検討することが重要です。費用だけでなく過去の施工実績や保証内容も確認して、適正な価格で施工してくれる信頼できる業者を選定してください。修繕計画も細かく立てて緊急性の低い工事項目を次回に繰り越すことでコストを分散をすることもできるでしょう。防水工事や外壁塗装などは耐久性の高い材料を選ぶことで、次回の修繕周期を延ばせますし、国や自治体が提供する助成金制度や補助金を活用して、工事費の一部を補助してもらう方法も有効的です。

マンションの外壁塗装や防水工事の平均的な耐用年数はどのくらいですか?

外壁塗装の耐用年数は10年〜15年程度、防水工事は12年〜20年が一般的になります。ただ使用する塗料や防水材によって耐久性が異なり、フッ素塗料やシリコン系塗料などの高耐久塗料は15年以上持続することが多いと言われています。屋上の防水工事もシート防水やアスファルト防水は耐久性が高い特徴があるので補修までの期間を伸ばせるメリットが期待できます。定期的にトップコートを塗り直すことで、さらに耐用年数を延ばせますので、物件の状態を確認して適切な対応を行ってください。

マンションの大規模修繕工事をする際に優先すべき項目には何がありますか?

大規模修繕工事をするこ際には、建物の安全性や居住者の快適性に直結する項目を優先して行うべきだと言われています。外壁のひび割れやタイルの浮き、屋上の防水層の劣化は放置すると雨漏りや外壁剥落の原因となることもあり、最優先で対応すべき箇所でしょう。共用部の給排水設備や鉄部の塗装、エレベーターの更新などはその後検討してください。ただどの部分でも劣化が進行する前に早めの対策を講じることで、修繕費用が抑えられ、その結果資産価値の維持にもつながることも忘れないでください。

マンションの大規模修繕工事をするための修繕積立金はどのくらいの金額が必要になりますか?

マンションの大規模修繕工事の修繕積立金の目安は1戸あたり月額5,000円〜1万円程度と言われてますが、マンションの規模や築年数、修繕計画によって調整が必要になります。築年数が進むにつれ修繕工事の規模が拡大するため、積立額を増額しなければならないケースも。特に築20年を超えると給排水管やエレベーターの更新が必要になるため、修繕積立金が不足する問題に直面することがあります。早期に長期修繕計画を策定して定期的に積立額を見直すことで、想定外の出費を回避することができます。

マンションの大規模修繕工事で防音対策を行うことはできますか?

外壁塗装や防水工事をすることが直接的な防音対策になることはありませんが、窓の交換や内装改修の際に防音ガラスや防音シートを導入することで防音性能を向上させることができます。外壁のひび割れ補修や断熱塗料の使用によって防音効果が高まることがありますので、劣化がひどい物件では大規模修繕をして室内の防音性が高まることもあります。共用部の改修時にエントランスや廊下に吸音材を取り入れることで、音の反響を軽減することもできますが、最終的にはコスト次第という部分になります。

エレベーターの更新工事もマンションの大規模修繕工事に含まれますか?

エレベーターの更新工事はマンションの大規模修繕工事の一環として行われることが多い傾向があります。特に築20年〜30年のマンションでは、エレベーターの老朽化が進んでいることもあり、主要な設備更新の対象となります。エレベーターの更新には1000万円以上かかることもありますが、省エネ性能の高い最新モデルを導入することでランニングコストが削減されることもあるので、十分な試算を行って更新工事を行うかどうか判断してください。

マンションの大規模修繕工事をする際に近隣住民への配慮や報告は必要ですか?

マンションの大規模修繕工事では騒音や粉塵が発生するため、近隣住民への事前説明や配慮が必要になります。工事開始前に書面や掲示物で工事期間や内容を告知して近隣住民の理解を得ることが推奨されます。騒音対策の一環として、作業時間を9時〜17時に限定するなどの対応を行うことでトラブルを防げる可能性も。クレームが発生した場合には迅速に対応して近隣住民との信頼関係を維持することも求められていると理解しておきましょう。

大規模修繕工事中は入居者が住みながら工事を行うことは可能ですか?

マンションの大規模修繕工事は基本的に入居者が住んでいる状態で行われます。外壁塗装や防水工事は建物の外部で行うため、入居者の生活に大きな支障はありません。ただバルコニーの使用制限や窓の開閉が制限されることもありますし、共用部の工事では一時的にエレベーターが停止することもあります。事前に工事スケジュールを周知して入居者の理解を得ることが重要です。

マンションの大規模修繕工事をする際に必要な書類や手続きには何がありますか?

マンションの大規模修繕工事をする際には、管理組合の総会での承認が必要になります。工事契約書や見積書、設計図面などの書類を事前に準備しておきましょう。自治体の助成金や補助金を申請する場合は、申請書類や工事計画書、事業報告書などが求められます。契約に関しては工事瑕疵担保責任を明記した契約書を作成して、万が一のトラブルに備えておくことで安心して大規模修繕工事を行うことができるでしょう。

外壁の劣化状態の確認や修繕工事費用の無料見積もりはフェアリノベーション株式会社にお任せください。

マンションやアパートの外壁診断やリフォームに関することであれば、どのような相談でもお受けすることができます。

フェアリノベーション株式会社の外壁診断のおすすめポイント!

外壁診断のおすすめポイント!
  • 外壁診断のお見積もりは無料です。
  • 訪問なしでお見積もりが可能です。
  • 親切丁寧な対応が評判です。
  • 疑問点は何度でも相談できます。

将来的な大規模修繕工事や外壁調査を検討されている方でも良いので、現状確認の為にもまずはお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

外壁修繕・防水工事の職人のち起業、リフォーム会社を経営 |外壁修繕の会社で外壁の劣化調査や修繕、防水の技術や知識を学び独立して起業➡︎個人事業として開業し、10年後の2023年9月に法人設立➡︎業界によく見られる多重層下請け関係による発注者への不利益や末端業者からの搾取する構造を変革し、皆がフェアであるようにという思いを込めて、事業へ注力しています。

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