マンション防水工事の保証期間は何年?適用条件や保証範囲は?

マンション防水工事の保証期間は何年?適用条件や保証範囲は?

マンションは防水工事を行わないと外観の劣化だけではなく、入居者への影響や資産価値の低下などの原因になることがあります。

しかし防水工事を格安で請け負う業者の中には、不十分な保証内容しか用意していなかったり、保証なしの場合もあるので注意が必要です。

この記事を読むとわかること
  • マンションの修繕で行われる防水工事にはどのような種類があるのかについて。
  • マンションの屋上防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのかについて。
  • マンションのベランダ防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのかについて。
  • マンションの外壁防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのかについて。
  • マンションの防水工事の保証期間や保証内容について法律でどのように定義されているのかについて。
  • マンション防水工事の保証内容や保証期間に関する情報一覧について。
  • マンション防水工事の保証期間や適用条件、保証範囲に関するよくある質問まとめ。

賃貸マンションや賃貸アパートなどの物件オーナーや管理会社では、その資産価値を保つためにも定期的な修繕が必要です。

安心して大規模修繕工事を依頼するためにも保証内容や保証期間などに関する情報を事前に確認しておくことは大切なことではないでしょうか。

この記事ではマンションの防水工事を行った後に起こる万が一のトラブルを避けるために必要な保証に関する情報をまとめて紹介しますので、工事を依頼する際の参考にしてください。

目次

マンションの修繕で行われる防水工事にはどのような種類があるのか?

マンションで防水工事を行うべき場所として、屋上・ベランダ・外壁・共用部分・地下ピット(エレベーターピット)などがありますよね。

なぜ防水工事が必要なのか、屋上・ベランダ・外壁という場所ごとに防水工事をしない場合のデメリットやリスクについて最初に簡単に説明します。

屋上防水工事やベランダ防水工事、外壁防水工事を計画している人や、その必要性について確認したい人はこの項目を参考にしてください。

マンションの屋上防水工事がなぜ必要なのか?

マンションの屋上は常に雨や紫外線、気温の変化にさらされているために最も防水性能が求められる場所になります。

屋上防水工事が必要な理由を簡単に紹介すると、

  • 雨水の浸入防止:屋上は広い面積で平らなために水が溜まりやすく、常に浸水のリスクがあります。防水工事を行うことで屋上の雨水が建物内に侵入するリスクを予防することができます。
  • 建物の劣化防止:屋上からの水漏れは建物の内部を腐食させたり、鉄筋コンクリート構造の鉄筋を錆びさせる原因になります。防水層を維持することは建物の強度を長期間維持することに繋がります。

マンションの屋上防水を行わないデメリットやリスクは?

マンションの屋上部分は傾斜も少なく、普段あまりチェックすることがないので防水性能の低下を見逃しがちになります。

もしあなたが屋上防水工事を行わずに放置した際にどのようなリスクがあるのかというと、

  • 雨漏りや浸水被害の発生:屋上の防水性能が低下することで最上階の部屋に雨漏りが発生します。これが原因で内装材や家具、家電に被害が出るリスクがあります。
  • 建物の構造劣化と耐久性の低下:水が浸入することでコンクリートのひび割れや鉄筋の腐食が進んで建物自体の耐久性が低下します。その結果として補修費用が大きく膨らんだり、資産価値の低下に繋がります。
  • マンションの資産価値低下L雨漏り被害が繰り返されることでマンションの評判が落ち、売却価格や賃貸価格に悪影響を与えます。

マンションのベランダやバルコニーの防水工事がなぜ必要なのか?

マンションのベランダやバルコニーは居住者が日常的に使用することもあり、摩耗が激しく防水層が傷みやすい場所のひとつです。

屋上防水工事が必要な理由を簡単に紹介すると、

  • 下の階への漏水防止:ベランダの防水性能が低下することで下の階に水漏れが発生します。特に洗濯物干しやガーデニングなど、日常生活で水を使うことが多いため、防水工事で漏水事故を防ぐことが重要です。
  • 安全性の確保:防水工事では滑り止め効果のある防水材を使うことも多く、入居者の安全性を確保できるメリットもあります。

マンションのベランダやバルコニーの防水工事を行わないデメリットやリスクは?

マンションのベランダやバルコニーは入居者しか確認できないことも多く、管理者側では防水層の劣化状況を確認できない可能性もあります。

もしあなたがベランダやバルコニーの工事を行わずに放置した際にどのようなリスクがあるのかというと、

  • 階下への漏水トラブルの発生:ベランダからの漏水で下階の居住者に損害を与え、賠償問題に発展するリスクがあります。家具や家電の損害を補償する必要が出てくる可能性もあります。
  • コンクリートの劣化による破損・崩落:漏水が続くことでベランダの床コンクリートが劣化したり、欠けたりひび割れが発生するリスクが高まります。状況が悪化すると手すりや床材の破損が生じるなど安全上の問題となります。
  • 衛生面・美観の悪化:防水性能が不十分だとカビやコケが発生して見た目や衛生環境が悪化し、入居者の健康被害につながる可能性もあります。

マンションの外壁防水工事(シーリング・コーキング)がなぜ必要なのか?

マンションの外壁部分は、建物全体を雨風や紫外線などから守る重要な防水機能を持っています。

外壁防水工事が必要な理由を簡単に紹介すると、

  • 建物内部への雨水浸入防止:外壁には多くの継ぎ目があり、この継ぎ目から雨水が浸入しやすくなります。シーリング工事を行うことで、浸水を防ぐ効果が期待できます。
  • 建物の耐久性向上:外壁部分の防水性能が十分に発揮されれば、建物の構造部分への水の浸入を防ぐことができす。結果として建物の寿命を延ばせたり、補修費用を節約することに繋がります。

マンションの外壁防水工事(シーリング・コーキング)を行わないデメリットやリスクは?

マンションの外壁部分(シーリングやコーキング)は外的要因の影響を受けやすく、時間の経過とともにどんどん劣化していきます。

もしあなたが屋上防水工事を行わずに放置した際にどのようなリスクがあるのかというと、

  • 外壁からの漏水・雨漏り被害の発生:外壁から漏水が発生することで室内の壁紙や内装材が剥がれたり、家具が損傷したりするリスクがあります。鉄筋や内部構造の腐食を進行させることもあります。
  • コンクリートの劣化・爆裂現象の発生:外壁内部から浸水することでコンクリートが劣化して、爆裂と呼ばれる現象(内部の鉄筋が錆びて膨張し、外壁が破裂して落下すること)が起きる可能性があります。外壁の劣化はタイル剥がれなどの落下事故の危険性があります。
  • 外壁の美観低下・資産価値の下落:外壁部分の防水性能が不十分なままだと、カビや藻、汚れが付着しやすくなります。マンションの外観が著しく悪化して不動産価値の低下に繋がります。

マンションの防水工事をしない場合や劣化を放置した際の共通するリスクは?

どの部位でもマンションの防水工事を適切に行わなかった場合は下記のようなリスクが生じることを理解しておいてください。

  • 漏水や雨漏りによる居住環境の悪化
  • 建物の劣化による耐震性・安全性の低下
  • 住民間トラブルの発生(漏水事故など)
  • 建物の美観の悪化、マンションの資産価値下落
  • 修繕費用や賠償費用の増加

マンションの防水工事は、建物を長持ちさせるだけではなく、居住者の安全や快適な住環境を維持するために不可欠なことです。

屋上・ベランダ・外壁といった各部位に応じた適切な防水工事を定期的に行うようにしてください。

防水工事の重要性を理解して適切な修繕計画を立て実施することが、マンション運営において非常に重要なポイントですので、早めの点検や定期メンテナンスを忘れないようにしましょう。

マンションの屋上防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのか?

マンションの屋上防水工事にはいくつかの種類があり、それぞれ施工方法や保証内容、保証期間に違いがあります。

ここでは屋上防水工事で主に採用される3つの代表的な防水工法として、

  • ウレタン防水(塗膜防水)
  • シート防水(塩ビシート防水)
  • アスファルト防水(熱工法・トーチ工法)

上記について一般的な保証内容や保証期間について説明していきますので、マンションの屋上防水工事を実施する際の参考にしてください。

ウレタン防水(塗膜防水)│マンションの屋上防水工事

ウレタン防水工事は液状のウレタン樹脂をマンションの屋上部分に塗り重ねて防水層を作る工法です。

マンションの屋上防水として非常によく採用されます。

屋上防水工事のウレタン防水(塗膜防水)の特徴は?

  • 液状のため、複雑な形状や凹凸にも対応可能。
  • 継ぎ目がないため、防水性能に優れる。
  • 比較的コストが低く、工期も短め。

ウレタン防水(塗膜防水)工事の保証期間と保証内容は?

マンションの屋上防水工事で行われるウレタン防水(塗膜防水)の一般的な保証期間は10年(5年〜10年が多い)ですが、使用する材料のグレードや施工方法によって短め(5〜7年)に設定されているの場合もあります。

ウレタン防水(塗膜防水)工事の保証内容は、防水層のひび割れや剥がれ、防水層の膨れ・浮き、雨漏り・漏水(防水層に起因する漏水)などです。

保証期間内に上記のようなトラブルが発生した場合、無償で補修工事が行われますが、明らかに人為的な損傷や自然災害(地震・台風など)によって被害が発生した場合は保証対象外となることもあります。

シート防水(塩ビシート防水)│マンションの屋上防水工事

シート防水(塩ビシート防水)工事は、塩化ビニールなどの防水性能の高いシートを屋上に貼り付けて防水層を形成する工法です。

耐久性や施工性が良いこともあり、マンションの屋上防水工事として広く普及しています。

屋上防水工事のシート防水(塩ビシート防水)の特徴は?

  • 均一な品質で耐久性が高い。
  • メンテナンス性が良く、清掃が容易。
  • 施工が比較的簡単で、施工期間が短い。

シート防水(塩ビシート防水)工事の保証期間と保証内容は?

マンションの屋上防水工事で行われるシート防水(塩ビシート防水)の一般的な保証期間は10~15年(一般的には10年保証が多い)で、耐久性が高い工法のため施工業者や材料メーカーによっては、15年保証を設定するケースもあります。

シート防水(塩ビシート防水)工事の保証内容は、防水シートの剥がれや浮き、防水シートの継ぎ目からの漏水、シートの劣化(亀裂や穴あき)による漏水などです。

シート防水はシート同士の接合部分から漏水が起きやすいこともあるので、保証対象として明確になっているか確認してください。

自然による経年劣化であっても、保証期間内であれば無償補修の対象となることが多いので、長期間安心したい人におすすめの屋上防水工事になります。

アスファルト防水(熱工法・トーチ工法)│マンションの屋上防水工事

アスファルト防水は、熱で溶かしたアスファルトや防水シートを重ねて貼りつけることで防水層を形成する伝統的な工法で、耐久性が非常に高いこともあって大型マンションや商業施設などでよく採用されています。

屋上防水工事のアスファルト防水(熱工法・トーチ工法)の特徴は?

  • 長期間の耐久性があり、防水性能が非常に高い。
  • 重ね貼りで厚みがあり、外部環境に強い。
  • マンション屋上防水工事の中では最も信頼性が高いとされている。

アスファルト防水(熱工法・トーチ工法)工事の保証期間と保証内容は?

マンションの屋上防水工事で行われるアスファルト防水(熱工法・トーチ工法)の一般的な保証期間は10~15年(多くの場合、10年保証)で、施工方法や材料の品質が高い場合は、長めの保証期間(15年程度)を設定することもあります。

アスファルト防水(熱工法・トーチ工法)工事の保証内容は、防水層のひび割れや亀裂、防水層の剥がれや浮き・膨れ、防水層の施工不良による漏水などです。

保証期間内に防水層の不具合や漏水が発生した場合、無償で修繕が行われます。

工法上、施工時に高度な技術が求められるために業者の技術力や経験値によって品質に差が出ることがあることも理解しておきましょう。

マンションのベランダ防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのか?

マンションのベランダ(バルコニー)防水工事は、日常生活でよく使われる場所ということもあり、定期的な防水工事やメンテナンスが重要です。

ベランダ防水工事で主に採用される代表的な工法として、

  • ウレタン防水(塗膜防水)
  • FRP防水(繊維強化プラスチック防水)

上記について一般的な保証内容や保証期間について説明していきますので、マンションのベランダ防水工事を実施する際の参考にしてください。

ウレタン防水(塗膜防水)│マンションのベランダ防水工事

ウレタン防水(塗膜防水)は、液状のウレタン樹脂をベランダの床面に塗り重ねて防水層を形成する方法で、非常に多くのマンションで採用されています。

ベランダ防水工事のウレタン防水(塗膜防水)の特徴は?

  • 複雑な形状や細かい箇所まで対応できる。
  • コストが比較的安価である。
  • 補修が比較的簡単で施工性に優れている。
  • 表面にトップコート(保護塗料)を塗ることで耐久性が向上する。

ウレタン防水(塗膜防水)工事の保証期間と保証内容は?

マンションのベランダ防水工事で行われるウレタン防水(塗膜防水)の一般的な保証期間は5~10年(平均的には10年保証が多い)、ベランダは居住者が頻繁に利用することで物を置いたり歩行することによる摩耗が激しいため、屋上防水(10年〜15年)より短い保証期間になることがあります。

ウレタン防水(塗膜防水)工事の保証内容は、防水層のひび割れや亀裂、防水層の剥がれや浮き、防水層の膨れ、防水層の劣化による漏水などです。

保証期間内にこれらの問題が起こった場合、施工業者は無償で補修を行う義務があります。

ただ物を落として傷をつけたなどの人為的損傷や、自然災害(地震・台風など)による損傷は対象外となると覚えておいてください。

FRP防水(繊維強化プラスチック防水)│マンションのベランダ防水工事

FRP防水(繊維強化プラスチック防水)は、ガラス繊維などの強化材にポリエステル樹脂を含浸させた防水材をベランダ床面に塗布して硬化させて防水層を作る方法です。

マンションのベランダだけではなく、戸建て住宅のベランダ防水として広く採用されている工法になります。

ベランダ防水工事のFRP防水(繊維強化プラスチック防水)の特徴は?

  • 強度が非常に高く、耐摩耗性が優れている。
  • 軽量で耐久性が高い。
  • 居住者が頻繁に歩行したり、物を置く場合に向いている。
  • 表面に保護トップコートを塗ることで紫外線劣化を抑えてくれる。

FRP防水(繊維強化プラスチック防水)工事の保証期間と保証内容は?

マンションのベランダ防水工事で行われるFRP防水(繊維強化プラスチック防水)の一般的な保証期間は5~10年(主に10年保証が一般的)、耐久性が高い工法ですが紫外線による表面劣化が早く発生する場合があるため、保証期間は最大でも10年程度が多いです。

FRP防水(繊維強化プラスチック防水)工事の保証内容は、FRP防水層のひび割れや亀裂、防水層の剥がれや破損、表面の著しい劣化(紫外線劣化による粉状化や変色など)、防水層の施工不良による漏水などです。

保証期間内であれば、これらの防水層に起因する不具合を無料で補修してもらえます。

ただ強い衝撃を加えて防水層を破損した場合や重量物の落下による損傷などは保証対象外になると覚えておいてください。

マンションの外壁防水工事の種類と一般的な保証内容や保証期間はどのくらいなのか?

マンションの外壁防水工事は建物内部への雨水の侵入を防いだり、コンクリートや鉄筋など建物の構造部材を劣化から守る重要な工事です。

外壁防水工事で主に採用される代表的な工法には下記3種類があり、

  • 外壁シーリング(コーキング)防水工事
  • 外壁塗装(塗膜防水)工事
  • 外壁防水シート張替え工事(改修時)

上記について一般的な保証内容や保証期間について説明していきますので、マンションの外壁防水工事を実施する際の参考にしてください。

外壁シーリング(コーキング)防水工事│マンションの外壁防水工事

外壁シーリング(コーキング)防水工事は、外壁防水工事で最も一般的な工法で、外壁の継ぎ目や窓枠周辺など、雨水が入り込みやすい隙間に対して行われます。

外壁防水工事の外壁シーリング(コーキング)防水工事の特徴は?

  • シリコン系や変成シリコン系、ウレタン系などの防水材を隙間に充填して防水層を形成します。
  • 経年劣化が起きやすい部分のために定期的な補修が必要です。
  • 外壁防水では最も頻繁に行われる工事であり、定期的なメンテナンスが必須です。

外壁シーリング(コーキング)防水工事の保証期間と保証内容は?

マンションの外壁防水工事で行われる外壁シーリング(コーキング)防水工事の一般的な保証期間は5~10年(主に5年保証が多い)、外壁のシーリング材は紫外線や雨風などで劣化しやすく比較的短期間で性能が低下することもあり、保証期間が短く設定されています。

外壁シーリング(コーキング)防水工事の保証内容は、シーリング材のひび割れ・亀裂・剥がれ・浮き、シーリング材の硬化による性能低下、シーリング部からの漏水などです。

保証期間内にこれらの問題が発生した場合、無償で補修が行われます。

ただ明らかに外部衝撃や自然災害(地震・台風)による破損は保証対象外になることが多いので、契約時にどこまで保証範囲に含まれるかしっかり確認しておきましょう。

外壁塗装(塗膜防水)工事│マンションの外壁防水工事

外壁塗装(塗膜防水)工事は、外壁全体に防水性能のある塗料を塗布して防水層を形成する方法で、塗料自体が防水機能を持っているために塗膜防水と呼ばれることもあります。

外壁塗装(塗膜防水)工事の特徴は?

  • 防水機能を持った塗料(ウレタン系・シリコン系・フッ素系など)を使用します。
  • 外壁の保護・防水だけでなく、美観維持にも効果があります。
  • 耐久性が高い塗料ほど、保証期間は長くなる傾向があります。

外壁塗装(塗膜防水)工事の保証期間と保証内容は?

マンションの外壁防水工事で行われる外壁塗装(塗膜防水)工事の一般的な保証期間は7~15年(主に10年保証が多い)、塗料のグレードによって保証期間は変わりますが、標準的なシリコン系塗料で約10年、高級なフッ素系塗料の場合は15年程度の保証が可能です。

外壁塗装(塗膜防水)工事の保証内容は、塗膜の著しい剥がれや浮き、塗膜のひび割れ・亀裂(クラック)、塗膜の劣化による防水性能低下、塗装の施工不良による漏水などです。

保証期間内にこれらの問題が起こった場合、施工業者が無償で補修を行ってくれます。

ただ通常の経年劣化や軽微な色褪せ、自然災害による破損は保証対象外になることが多いことも覚えておいてください。

外壁防水シート張替え工事(改修時)│マンションの外壁防水工事

外壁防水シート張替え工事(改修時)は、マンションの外壁の仕上げ材(タイル・サイディングなど)の下に貼られている防水シートを張り替える工事のことで、マンションの大規模改修工事で施工されることがあります。

外壁防水工事の外壁防水シート張替え工事(改修時)の特徴は?

  • 外壁材の内側で雨水の浸入を防ぐ二次防水として機能します。
  • 工事は大規模改修工事の際に行われることが多く、施工費用や工期は大きくなります。
  • 一度施工すると長期間(15年以上)持つことが多いです。

外壁防水シート張替え工事(改修時)の保証期間と保証内容は?

マンションの外壁防水工事で行われる外壁防水シート張替え工事(改修時)の一般的な保証期間は10〜15年(主に10年保証が一般的)、防水シート自体は耐久性が高く長持ちしますが、施工の精度に依存するために保証期間は10年が一般的です。高耐久シートの場合は15年保証を設けている業者もいます。

外壁防水シート張替え工事(改修時)の保証内容は、防水シートの施工不良による漏水、防水シートの破れや浮き、シート継ぎ目部分からの漏水などです。

保証期間内に防水シートに問題が生じ漏水が起きた場合は業者負担で修理してもらうことができます。

ただ外壁材の破損や自然災害による破損は保証対象外になると理解しておきましょう。

マンションの防水工事の保証期間や保証内容について法律でどのように定義されているのか?

マンションの防水工事に対して、法律で保証内容や保証期間について、一定レベルの規定があるのを知っていますか。

防水工事の保証期間に関する法律として下記3つのものがあり、

  • 住宅品質確保促進法(品確法)
  • 民法(請負契約上の瑕疵担保責任)
  • 建設業法(瑕疵担保責任やアフターサービス)

法律ごとにどのような定義が行われているのかについて説明していきますので、施工後に適切な保証を受けるためにもしっかり確認しておきましょう。

住宅品質確保促進法(品確法)における防水工事の保証期間・内容は?

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)とは、新築住宅(マンションを含む)の品質確保を目的として定められた法律です。

住宅品質確保促進法(品確法)で定められた保証期間(瑕疵担保責任期間)とは?

新築住宅引き渡し後、最低10年間の保証を施工業者が義務付けられており、防水工事は雨水の浸入を防止する部分として、明確に対象になっています。

住宅品質確保促進法(品確法)による保証対象範囲は?

品確法では下記部分に対する欠陥を瑕疵(かし)として保証することが義務付けられています。

  • 屋根や屋上、バルコニー、外壁などからの雨漏り・漏水。

具体的には、防水層の欠陥や施工不良により雨水が建物内部に侵入して建物の耐久性や構造に影響を及ぼすものが対象となります。

住宅品質確保促進法(品確法)の保証内容(施工業者の義務)は?

保証期間内(10年以内)に上記のような瑕疵が見つかった場合は、施工業者が無償で補修を行う義務があり、その補修費用は施工業者が全額負担することが義務付けられています。

住宅品質確保促進法(品確法)の注意点や注意ポイントは?

品確法の10年保証義務は、新築住宅(新築マンション)のみに適用されるものであり、中古マンション購入時や大規模修繕工事での防水工事には適用されません。

中古マンションや大規模修繕時の防水工事に関する場合は、施工業者と締結した契約内容次第となります。

民法(請負契約上の瑕疵担保責任)による防水工事の保証期間・内容は?

民法では、請負契約において施工業者が負うべき責任を瑕疵担保責任として定義しています。

民法(請負契約上の瑕疵担保責任)によるで定められた保証期間(瑕疵担保責任期間)とは?

民法(2020年4月以降改正後)は、瑕疵担保責任が契約不適合責任と名称変更され、契約で保証期間を自由に設定可能になりました。

特に定めがない場合、注文者が不具合(瑕疵)を知ったときから1年以内に施工業者へ通知することが求められています。

民法(請負契約上の瑕疵担保責任)によるによる保証対象範囲は?

  • 防水工事の施工不良や材料不良に起因する漏水や雨漏り、ひび割れ、剥がれ等の不具合全般が対象です。

ただ契約で保証内容や期間が明記されていれば、その内容が優先されます。

民法(請負契約上の瑕疵担保責任)によるの保証内容(施工業者の義務)は?

施工業者は契約内容に合致しない施工(施工不良や漏水など)が発覚した場合、無償で修繕を行う義務があります。

民法では補修だけでなく、損害賠償や契約解除、減額請求も可能です(契約内容により異なる)。

民法(請負契約上の瑕疵担保責任)によるの注意点や注意ポイントは?

民法上の責任(契約不適合責任)は契約で自由に期間を決めることができます。

そのためマンション大規模修繕工事などでは業者との契約内容についてしっかり確認することが大切です。

建設業法における防水工事の保証期間・内容は?

建設業法は建設業者の適正な業務運営を求める法律で、マンション防水工事の保証にも関係しています。

建設業法で定められた保証期間(アフターサービス義務)とは?

建設業者は施工した工事に対して、不具合(瑕疵)に対応するためのアフターサービス体制を整備することが義務付けられています。

具体的な保証期間や内容については建設業法自体に明確な年数規定はなく、業界標準や施工業者の自主基準や契約書で定められます。

建設業法による保証対象範囲は?

  • 施工業者は工事後の不具合に適切に対応して、漏水や施工不良などがあれば適切に修繕する必要があります。

建設業法の保証内容(施工業者の義務)は?

建設業者は自主的にアフターサービスやメンテナンス体制を整えて、保証期間内に瑕疵が発見された場合は無償修繕や補修対応を行う必要があります。

マンション防水工事の保証内容や保証期間に関する情報一覧は?

マンションの屋上防水・ベランダ防水・外壁防水工事について、それぞれの一般的な保証期間や保証内容をわかりやすく一覧表にまとめると、

工事箇所工法・種類一般的な保証期間主な保証内容備考・注意点
屋上防水ウレタン防水
(塗膜防水)
約10年防水層のひび割れ
浮き・剥がれ・漏水
経年劣化や
自然災害は保証外
シート防水
(塩ビシート)
約10~15年シートの浮きや剥がれ
継ぎ目からの漏水
シートの接合部が
特に重要
アスファルト防水約10~15年防水層の亀裂や浮き
施工不良による漏水
耐久性が高いが
施工技術に依存
ベランダ防水ウレタン防水
(塗膜防水)
約5~10年防水層のひび割れ
浮き・剥がれ・漏水
摩耗による劣化が
屋上より早い
FRP防水
(繊維強化プラスチック防水)
約5~10年FRP層の割れ
剥離・破損・漏水
耐久性が高いが
紫外線劣化に注意
外壁防水シーリング防水
(コーキング工事)
約5~10年シーリング材のひび割れ
剥がれ・浮き・漏水
劣化が早く
定期補修が必要
外壁塗装
(塗膜防水)
約7~15年塗膜の剥がれ
浮き・ひび割れ・漏水
塗料のグレードで
|期間が変わる
外壁防水シート張替え
(大規模改修)
約10~15年防水シートの破損
継ぎ目漏水
施工不良による漏水
工事費用は
比較的高め
法律(品確法)新築マンション
(屋上・ベランダ・外壁等)
引き渡しから
最低10年間
屋上・外壁・バルコニーなど
雨漏り部分の欠陥
新築時のみ適用
修繕工事は対象外

マンションの防水工事の保証期間はどこまでいくらの費用をかけて行うのかによって大きく左右されますので、工事費用と保証内容を総合的に判断して、どれが一番理想に近いかを考えた上で選ぶようにしてください。

マンション防水工事の保証期間や適用条件、保証範囲に関するよくある質問まとめ。

ここまで説明したようにマンションの防水工事は場所や工法によって保証内容に大きな違いがあります。

防水工事を含む修繕工事の費用や範囲、保証内容に関しては発注者と施工業者の協議によって決定されるということ。

工事費用は安かったものの十分な保証を受けることができずに、後で後悔しないためにも信頼できる業者選びを行うことが推奨されます。

ここでマンションの防水工事でどのような保証が受けられるのか、保証項目や保証内容に関するよくある質問をまとめて紹介しますので、施工業者や工法を決める際の参考にしてください。

マンション防水工事の保証期間は長ければ長いほど良いと考えるべきか?

マンション防水工事の保証期間は長ければ長いほど良いというわけではありません。保証期間が長く設定される工法は基本的に耐久性が高く施工品質が安定していることが前提になり、実際には防水性能を保つためには保証期間内の定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。保証期間が長い場合でも、その間の点検・メンテナンスを怠れば保証期間中に防水性能が低下して大規模な補修が必要となることも。保証期間の長さだけで判断するのではなく、施工業者のアフターサービス体制やメンテナンス時の対応力、防水材の耐久性や実績なども含めて総合的に評価することが大切です。適切な保証期間と定期的なメンテナンスを組み合わせることで、建物の長期的な耐久性を維持することができようになるでしょう 。

マンションの外壁塗装の保証期間が過ぎた後に再び保証を受ける方法はありますか?

マンション外壁塗装の保証期間が過ぎた後に再び保証を受けるためには、改めて外壁塗装の再施工や補修工事を行って再度新しい保証契約を締結する必要があります。保証はあくまでも施工時に行われた工事に対して施工業者が自主的に付与するものなので、保証期間終了後の状態であれば、有償のメンテナンスや再施工を行うことで新たな保証期間を設定することができます。また保証期間終了直前に施工業者と交渉して有償でトップコートの再塗装や部分補修を行うことで保証期間を延長することも可能です。定期的に再施工やメンテナンスを行うことは防水性能の維持に役立ち、継続的に保証を受けられるようにすることが建物の資産価値や寿命を維持する上でも重要だと理解しておきましょう。

マンション防水工事の保証期間中に施工業者が変更になった場合の保証はどうなりますか?

マンション防水工事の保証期間中に施工業者が変更になった場合でも、原則として保証内容は当初の契約業者が保証期間終了まで責任を負う必要があります。ただ施工業者が倒産したり、別の業者に事業が承継された場合は、保証が継承されないことも。事業継承された場合は保証内容や保証期間に変更がないかを新しい業者にしっかり確認しておきましょう。元の施工業者が保証を継続できない状況であれば、マンションが加入している瑕疵担保保険(第三者機関による保証)によってカバーされるケースもあります。保証内容が不明確な場合は新たな業者と保証契約を再度締結したり、マンション管理組合として施工業者変更時に保証内容を明確化したりすることが望ましい対応になります。

マンションの防水工事の保証内容に漏水による二次被害の補償は含まれますか?

マンションの防水工事の保証内容には、防水層の不具合による漏水そのものの補修費用は含まれますが、漏水による室内の家具や家電など二次被害の補償は基本的には含まれません。施工業者が保証するのはあくまで防水層の修復や施工不良部分の補修までで漏水に伴う室内の家財道具や内装の修理費用は居住者や管理組合側で負担するケースが一般的です。二次被害については、マンションが加入する火災保険や居住者自身の家財保険で補償されることが多いと理解しておいてください。大規模修繕工事などで契約時に施工業者と交渉して二次被害まで含む特約を追加することも可能ですが、通常は別の保険での対応するのが一般的だと理解しておきましょう。

マンション防水工事の保証書は施工後どのくらいの期間で発行されますか?

マンション防水工事の保証書は通常、工事完了後1週間〜1ヶ月以内には発行されます。施工業者が工事完了検査を行って施工品質に問題がないことを確認した後で正式な保証書が発行されます。保証書の発行が遅れる場合は施工業者に早めに問い合わせをして、発行時期や遅延理由を確認するようにしてください。保証書には保証期間の開始日・終了日、保証内容、保証対象範囲、免責事項、施工業者の連絡先が記載されているため、受け取ったらすぐに内容を確認して不明点があれば業者に問い合わせましょう。保証書の受領が遅れると保証開始日が不明確になり、トラブル時に保証が適用されない可能性もあるため注意が必要です。

マンション防水工事で保証対象外になりやすい自然災害とは何ですか?

マンション防水工事の保証で対象外になりやすい自然災害には、地震・台風・豪雨・洪水・落雷などが含まれます。特に地震や台風による強風や飛来物による破損、豪雨による冠水被害については、施工業者が責任を負えない不可抗力として免責扱いされるケースがほとんどです。一般的な保証書には、自然災害や第三者による故意の破壊行為による被害は保証対象外といった免責事項が記載されています。ただ管理組合が加入しているマンション保険(火災保険や地震保険など)でカバーされる場合もあります。保証対象外のリスクについても契約時に明確にして、マンションの損害保険による補償範囲を合わせて確認しておくことが重要です。

マンション防水工事に関する保証書を紛失した場合でも保証は受けられますか?

マンション防水工事の保証書を紛失した場合、保証が受けられないリスクが高まります。ただ施工業者側に施工記録や保証内容が保管されている場合があるために保証書がなくても保証を受けられる可能性はあります。まずは施工業者に連絡を取って保証書を紛失した旨を伝えて、保証内容や保証期間を改めて確認しましょう。ただ業者の保管記録が不十分だったり、施工業者が倒産した場合には保証を受けることが難しくなります。保証書は契約書と一緒に大切に保管して、紛失しないように注意することが最善策です。また保証書を再発行してもらえる場合もあるため、紛失に気づいた時点で早めに業者へ相談することをおすすめします。

マンション防水工事後に保証対象外になる具体例を教えてください。

マンション防水工事後に保証対象外になる主な事例として、自然災害による被害(地震、台風、洪水など)が挙げられます。自然災害は不可抗力とされ、多くの施工業者は保証対象外として免責事項に記載しています。また住民の不注意で防水層を傷つけた場合やベランダで重量物を落下させて防水層を破損させた場合も保証対象外です。他にも管理組合が定期点検や指定されたメンテナンスを怠った結果、防水層が劣化してしまった場合も保証の対象外になることが多いです。施工後に他の業者が行った工事により防水層に不具合が生じた場合も元の施工業者の保証外となります。このように保証対象外となる具体的なケースは保証書の免責事項欄に記載されているため、契約前に必ず確認するようにしてください。

マンション防水工事の保証期間中に点検を実施する必要はありますか?

マンション防水工事の保証期間中には定期的な点検が必要になります。一般的に施工業者は保証書に、定期的な点検やメンテナンスを実施することを保証条件として明記しています。そのため保証期間内であっても指定された頻度で点検を実施しなければ、トラブルが発生した際に保証が適用されなくなる場合があります。多くの業者では保証期間内に年に1回〜2回程度の定期点検を推奨しています。定期点検を行うことで防水層の小さな亀裂や浮きなどを早期に発見することができ、大規模な漏水トラブルを未然に防げることもあるので保証期間内の点検は非常に重要です。マンションの管理組合や管理会社が中心となり、定期的な点検スケジュールを立てて業者に点検を依頼して点検結果を記録として残すようにしましょう。

マンションの大規模修繕工事でも法律上の保証期間はありますか?

新築マンションには住宅品質確保促進法(品確法)によって雨漏りに関する部分で最低10年間の保証義務がありますが、マンションの大規模修繕工事や改修工事には法律で定められた最低保証期間はありません。そのため保証期間や保証範囲は施工業者と管理組合が自由に契約によって設定します。大規模修繕工事では一般的に屋上防水は10~15年、ベランダ防水は5~10年、外壁シーリングは5~10年程度の保証期間を設定することが多く、これらは契約書に明記されます。契約内容によって保証が大きく異なるため、大規模修繕の契約時に施工業者と保証期間・保証内容について慎重に協議して明確に取り決めておくことが大切です。

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この記事を書いた人

外壁修繕・防水工事の職人のち起業、リフォーム会社を経営 |外壁修繕の会社で外壁の劣化調査や修繕、防水の技術や知識を学び独立して起業➡︎個人事業として開業し、10年後の2023年9月に法人設立➡︎業界によく見られる多重層下請け関係による発注者への不利益や末端業者からの搾取する構造を変革し、皆がフェアであるようにという思いを込めて、事業へ注力しています。

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